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福岡インディペンデント映画祭2022 作品紹介 その⑥(1104-P1)

11/4(金)第1プログラム(10:20~12:05)
'秋の朝の個性派短編特集'

 
前夜に続き、今度は昼までのひとときを充実させてくれる個性的な短編4本を集めました。恋あり、争いあり、葛藤あり。様々なドラマと感情が詰まったプログラムです(画像クリックで作品ページに飛びます)。
 
『こんなのどうせ初恋なんかじゃない』(監督:クラノマサキ、19.09min)

こういう手法も大歓迎。リズムのよい詩のようにつむがれる映像と、かわいくもエキゾチックなことばの響きが一体となり、独特のフローを創り出す。

“初恋”をテーマにした作品は世界中に星の数ほどあれど、こんな風に新鮮な気持ちで観られるものかと感嘆。
 
『誰のための日』(監督:名村辰、16.22min)

主演は俳優・レポーターだけでなく、自ら作品プロデュースや脚本執筆も行うなど、幅広い才能を持つ里内伽奈さん。そして多くのfidff応募作に出演するなど実力は折り紙付きの日高七海さん。

葬儀から始まるふたりの強烈なぶつかり合いに息を呑む、色々な意味での“別れ”を内包した密度の高い作品。
 
『はじまりの日』(監督:道上寿人、25.00min)

監督・キャストは違えど、タイトルも似ていて、スタイルも近い作品を連続上映します。

若い姉妹が主人公の『誰のための日』とは異なり、こちらはかつて同じ夢を見ていた熟年夫婦の危機からはじまる強烈なぶつかり合いに身じろぎできなくなる。両作品とも、監督がキャストを120%信じていなければ成り立たなかったのでは。

きっと、夢を追ったことがある人なら感じるものがあるはず。
 
『親のスネの味』(監督:北原央庸、32.48min)

まずタイトルがとにかく秀逸。派手さはないものの、カットをじっくり積み重ねて至るラストの何とも言えぬ味わい。

肉親の死を起点にした、お金、エゴ、喪失感…。この人にしか表現できない孤独を描いていることに驚かされる。

様々なものが混然一体となり、じんわりと心に覆いかぶさってくる、いい映画です。

文:大塚 大輔(プログラミングディレクター)

福岡インディペンデント映画祭2022は、11月3日から6日まで開催されます



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