福岡インディペンデント映画祭2022 作品紹介 その⑧(1104-P3)
11/4(金)第3プログラム(14:35~16:10)
'日常?非日常?オフビート系短編特集'
日常の中のちょっとした出来事から生まれたり見えたりするズレ、そこから生まれるおかしみ。
それらを巧みに表現した(『腰の痛さを…』はけっこう定石に沿ったコメディーではありますが)、廣田耕平監督と高島勇毅監督の楽しく素敵な短編を2本ずつ、計4作品を一挙上映します(画像クリックで作品ページに飛びます)。
『今、ここで』(監督:廣田耕平、22.55min)
多くの人が毎日立ち寄るコンビニ。東京でも九州でも、今やそこで働く人の国籍も様々。そんな“スモールワールド”の日常から生まれてくる出来事、そして人を、程良いおかしみを交えて描き出していくのが何とも面白い。
しかしこんな店長、外から眺める分には面白いけど、一緒に働くのはイヤだなぁ(笑)
『ラの♯に恋をして』(監督:廣田耕平、15.06min)
導入の出来事とタイトルから、ドラえもんの“音楽イモ”(『メロディーガス』)みたいな展開を想像すると完全に裏切られます。むしろ短編よみきり少女漫画のような、素敵なラブストーリー。
恋もおならも、してしまう時はしてしまうものなので。
『街の声が聞きたい』(監督:高島勇毅、15.00min)
“コロナ禍”を反映した作品は数あれど、こちらは意図に沿った撮れ高を求められるテレビクルーが取材の中で出会う様々な人々、そしてふたり自身の関係を、皮肉も込めてドキュメンタリー風に描く。
テレビマンの悲哀と絶妙なおかしみが雨の中で混じり合うのがジワジワ面白く、ストーンと決めてくるオチも含めた展開の上手さに唸らされる。
『腰の痛さを知る人よ』(監督:高島勇毅、30.11min)
話の“腰を折る”ようなネタやギャグを下手に入れて失敗する作品も多い中、この作品はむしろそれを逆手にとってか、心温まる家族ドラマに見せかけてタイトル通りに腰を絡めた「痛さ」をいい所でぶっこんで来る思い切りに感服。
更には『3年B組金八先生』『うれしはずかし物語』などの川上麻衣子さんが母役で出演!80年代に青春期を過ごし、川上さんが憧れの人だった…という方は特にお見逃しなく😄
文:大塚 大輔(プログラミングディレクター)
福岡インディペンデント映画祭2022は、11月3日から6日まで開催されます
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