第16回福岡インディペンデント映画祭2024開幕しました!  2024/8/31(土)ZERO Dayレポート



ご挨拶

福岡インディペンデント映画祭(FIDFF)実行委員の太田です。
8月31日(土)福岡市総合図書館 映像ホール・シネラにて、第16回福岡インディペンデント映画祭2024 が開幕しました!

このnoteでは、FZERO Dayのプログラム上映時の様子をレポートしたいと思います。

ZERO Day 開幕プログラム <台湾・高雄映画祭セレクション>

副代表による開会宣言に続き、第16回福岡インディペンデント映画祭2024の開幕プログラムとして、FIDFFと交流を深めてきた台湾の高雄映画祭からセレクションした短編映画『#さよならデッドボール』『#Same』『#五福路の少女』の日本初上映、今年の大阪アジアン映画祭でも上映され話題を呼んだ『#ちょっとだけ逃げてもいい?』の4作品を上映しました。

『さよならデッドボール』より
『Same』より
『五福路の少女』より
『ちょっとだけ逃げてもいい?』より

上映後は、日本語字幕を担当・監修されたFULA語学学習班の間ふさ子先生(元福岡大学教授)と谷口由華さん(FIDFF台湾担当)に御登壇いただき、台湾語の方言やニュアンスなどを訳す時のご苦労などをお話しいただきました。

福岡市総合図書館 映像ホール・シネラでのアフタートーク
字幕翻訳を担当・監修されたFULA語学学習班の間ふさ子先生(元福岡大学教授、左)と谷口由華さん(FIDFF台湾担当、右)
西谷郁(FIDFF国際部担当、左)が司会進行を務めました

間ふさ子先生は10年以上字幕翻訳の活動をされていて、そのお力をお借りして字幕付きの作品をお届けできました。
最新の外国語映画に日本語の字幕を付け、一般の観客に楽しんでもらえるようにすることは、映画祭の重要な役割の一つだと思います。これからも台湾や各国の素晴らしい作品の紹介を続けていきたいと思います。

ZERO Day 第2プログラム <FMF特集>

FMF(正式名称:Film Makers Field)は、1977年、福岡市出身の映像作家 福間良夫、ノトヨシヒコ、森田淳一(壱)の3名により、個人映画の制作・上映活動を行う団体として、福岡で結成されました。
普段、劇場で上映される劇映画とはちがった、個人、または少人数による前衛的であり、芸術性・実験性を追求した映像作品を制作するかたわら、公募展の企画や上映活動などを通して、各地で活動する映像作家・団体をつなぐ交流の場となっていきました。

長きにわたるFMFの活動の中で、名物企画の1つが「パーソナルフォーカス」(1978〜2010年)
開始当時、ホームムービーのツールとして普及していた8ミリフィルムによる3分間の映像作品を全国から公募し、無審査で全て上映するというアンデパンダン方式による上映企画で、個人の映像表現のきっかけを作り、作家たちの継続した作品制作の後押しとなりました。この時寄せられた作品は、各地での巡回上映も行われ、全国で活動している映像作家同士をつなげるネットワークが形成される一助ともなりました。

その中から、1978年から1986年までの応募作品の中からFMFがアーカイヴした<パーソナルフォーカスアンソロジー>より16作品。
あわせて日本を代表する映像作家であり、FMF福岡のメンバーでもある伊藤高志の<ZONE>など90年代の3作品を上映しました。

『パーソナルフォーカスアンソロジー(8mm上映)』

1 第六のドーンとやってみよう! 第六整形外科1978 3min
2 TIME TRANSFER 永崎通久 1979 3min
3 MOON DOG 出渕亮一朗 1982 3min
4 三角形の法則 木塚忠広 1983 3min
5 あ・りんごII 福山静子 1983 3min
6 ねこ色の楽園 武藤起一 1983 3min
7 乙女の祈り 坂本崇子 1983 3min
8 ストリプス パトロール 渡辺 宏 1983 3min
9 CANON 山田けい子 1983 3min
10 B’ かわなかのぶひろ 1984 3min
11 FLICKERTIMESCAPE 江上計太 1984 3min
12 虚構の影ーshadow by shadow 板山信一 1984 3min
13 捜 査 中島 崇 1984 3min
14 SNOW ROOM 中島 洋 1985 3min
15 on the wall 小嶋哲生 1985 3min
16 栓なき世界 斉藤利行 1986 3min

『三角形の法則』 木塚忠広 より
『捜 査』 中島崇 より

『伊藤高志特集プログラム(16mm上映)』

『THE MOON』 1994 7min
『ZONE』 1995 13min
『モノクローム・ヘッド』1997 10min
3作品を上映しました。

『ZONE』伊藤高志 1995 より

上映後は、伊藤高志さんに御登壇いただき、FMFとの関わり、自身の作品についてお話しいただきました。
日本を代表する映像作家の伊藤高志さんが創作活動を始めたきっかけが、たまたまチラシを見て入ったFMFの上映会に衝撃を受けたことだった、というエピソードを聞いて、改めて、FMFが個人の映像表現のきっかけや作品制作の後押しとなり、映像作家同士をつなげる存在だったんだなと思わされました。

映像作家で、FMF福岡のメンバーの伊藤高志さんによるアフタートーク
映像作家・伊藤高志さん
西谷郁(FIDFF国際部担当、左)とのトークはさまざまなエピソードが飛び出しました。

『パーソナルフォーカスアンソロジー』は会場内に設置された8mm映写機で上映され、映写機のカタカタと鳴る駆動音も聴きながら観賞いただきました。8ミリフィルムの上映を初めて見るお客さまもいらっしゃったのでは??

会場内に設置された8mm映写機


ZERO Day 第3プログラム <プサン・インターシティ映画祭2023レジデンス作品> 『May and June』

本日のクロージング作品として、プサン・インターシティ映画祭と協力し、FIDFFが福岡・糸島のロケに関わった『May and June』が日本初公開上映されました。

『May and June』の一場面
『May and June』の一場面
『May and June』の一場面

上映後はオンラインで

パク・チュニョン監督
ホァン・ユンジョ(ZOZO)プロデューサー
橘愛加プロデューサー
井芹美香コーディネーター・通訳
西谷郁プロダクション・マネージャー

の5人が 、プサンと福岡でどのようにコラボを実現したか撮影時のエピソードを語りました。

パク・チュニョン監督(右)ホァン・ユンジョ(ZOZO)プロデューサー(左)
井芹美香さん(コーディネーター・通訳、画面)

長年にわたるプサン独立映画協会との交流から、プサン・インターシティ映画祭のレジデンス作品を福岡で撮影できないかという相談を受け、FIDFFスタッフがロケ地交渉やコーディネートを日本側の窓口として協力し、昨年の夏の糸島で撮影を行った本作。
撮影を進めていく中でスタッフ同士の絆も深まったそうです。
FIDFFとしても、これからもこうした交流を続けていきたいと思っています。

今後の日程 9月6日(金)~8日(日) コンペティション部門ノミネート作品、および<FMF特集>パート2の上映

開幕しました、第16回福岡インディペンデント映画祭2024ですが、
いよいよ9月6日(金)~8日(日)より、コンペティション部門ノミネート作品、および<FMF特集>パート2を「福岡市美術館ミュージアムホール」にて上映いたします。

福岡市美術館ミュージアムホール( 福岡市中央区大濠公園1-6

本邦初公開の注目作や、国内外の映画祭で話題の傑作が続々上映されます!
ぜひ福岡市美術館ミュージアムホールにてご覧ください!
また、7日(土)の18:40からは、授賞式が行われ、そこでFIDFF2024グランプリの発表が行われます!
今回はどの作品が栄冠に輝くのか、その瞬間を会場で目撃してください!

詳しい日程や作品情報、料金、アクセス、入場整理券等につきましては、公式サイト、および公式SNSの情報をご確認ください。
また来場ゲストなど、当初の予定から予告なく変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

ZERO Dayにお越しになられた皆様、ありがとうございました。
それでは、今週末、福岡市美術館ミュージアムホールでお待ちしています!


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