ヘリコプター 『25時間飛ぶごとに点検の必要がある』 能登半島地震 日本 20240110

#Earthquake #Tsunami #Japan

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744698140052308096
経済界の著名人が能登半島地震について「国内にあるヘリ800機の半分を政府が借りてピストン輸送しろ」と発言して炎上しています。
これは言い過ぎでしょうが、被災地までの渋滞が復旧が困難な要因になっていることから「もっとヘリを飛ばせば良いのに」と思う方も多いでしょう。そこで、なぜヘリ(続
9:30 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744698919811256342
の大量投入が難しいのかを、主に能登半島の地理的要因から考えていきます。
まず始めに、自治体が全国で保有するヘリは全国で80機程度。各県に1機以上は保有している事が分かります。ですが、それを一気に投入できるかというと疑問です。何故ならヘリは「25時間飛ぶごとに点検の必要がある」と(続
9:33 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744700499356758053
いう機械的な制限があるからです。1日8時間飛ばすと(実際にはそんなに飛ばせませんが)、3日ごとに点検が必要になります。
下記の図は過去の石川県のヘリの運休状況ですが、平時の運用でも月に1-2回は点検や修理を行っています。
ヘリに車のような耐久性を求めるのは酷だということが分かります(続
9:39 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744702712737046811
これだけ頻繁に修理が必要な機材が全国から北陸にヘリを集中しても、点検するための整備工場が足りないだろう事は容易に想像がつきます。(近隣で十分な設備のある整備工場があるのは自衛隊の小松基地ぐらいでしょうか)。
ヘリの整備上の問題が解決しても、能登半島はヘリが活動するのが非常に(続
9:48 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744705918363963593
厳しい環境であることから、ヘリの大量投入は難しいでしょう。
こちらは垂井町の地域防災計画ですが、ヘリコプターの着陸に必要なスペースは小型ヘリ(物資積載量200kg程度)で直径30メートル、大型ヘリ(物資積載量8t)だと100m×150mの広さが必要になります。
平野部でもこれだけ大きな敷地を(続
10:01 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744708209141751926
確保するのは困難です。まして半島全体が山地に覆われている能登半島では、大型ヘリが着陸可能なスペースはほぼ皆無といっても過言ではありません。
大型と小型のヘリは軽自動車とトラックほどにサイズに違いがありますから、十分な支援を行う為には最低でも中型ヘリが着陸(続
(画像引用:防衛省)
10:10 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744709596579872828
できる半径50m以上のスペースが欲しいところです。
さて、能登半島でヘリが着陸可能な場所ですが、石川県の資料によると奥能登エリアで15箇所、七尾・中能登エリアを加えても全部で25箇所です。うち防災対応している着陸場は7箇所です。
着陸場を見ると学校のグラウンドや運動公園、野球場などが(続
10:15 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744718511921135624
利用されていることが分かります。
「他に着陸できる場所はないか?」と思い地図を見てみましたが、輪島市や珠洲市の市街地は住居が並び、他のエリアも平地には集落と田畑があることから、ヘリが着陸可能な平地はほぼ見つけられるませんでした。(続
※画像:輪島市・珠洲市中心地と孤立している地区
10:51 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744721151425933358
このように、ヘリの大量投入が難しいのには地理的な要因も大きいのだと感じています。
その上、石川県やお隣の富山県は降水時間が年間トップです。
ヘリコプターは有視界飛行(霧や大雨だと飛べない)が前提なので、特に雨や雪が多い今の季節はそもそもヘリの運用が困難な時期といえます。(続
11:01 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744722175553352106
現在、救助活動を行っている自衛隊や救助隊のパイロットは荒天などでも飛行可能な技量の方々ばかりでしょうが、民間ヘリまでかき集めると、ただでさえグラウンドや野球場など通常よりも相当難易度が上がるフライトは難しいと言わざるを得ません。
このように地理的な要因だけでも様々なハードルが(続
11:05 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744724479685882307
立ちはだかっていることが分かります。
万一、ヘリが墜落したら二次災害になります。災害出動による悲しい航空機事故は二度と起こってほしくありません。
現在のヘリの運用はプロの方々が全力かつ最大効率で運用しているでしょうから、彼らが安全に救助活動できるように応援していきたいです(了
11:15 PM Jan 9, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744746012332499282
議論で頂いた資料の中に、追記したい参考になる内容がありました。
過去の孤立被災地の支援事例です。やはり孤立している地域にもヘリポートがないと救助や物資輸送は難しそうですね。
そして、よく考えれば当然なのですが、孤立地域外のヘリポートをヘリの拠点として活用する訳ですがその拠点は(続
12:40 AM Jan 10, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744746805290815746
補給のための燃料が大量に必要になります。
能登空港や自衛隊の輪島分屯地をヘリの拠点にするとしても、そこまでどうやって大量の燃料を運ぶのか?という問題は解決しませんね。結局、陸路でタンクローリーが燃料を運び込む必要がありそうですね。
孤立被災地支援には、道路啓開→ヘリ拠点整備→(続
12:43 AM Jan 10, 2024

https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1744749296329888154
→燃料・整備員の輸送→孤立被災地支援 のステップが必要です。
なお救難ヘリとして使われている自衛隊のUH-60Jの燃料搭載量は3,600ℓ、ドラム缶18本分(小型タンクローリーの容量が2,000ℓ)です。燃料だけでも物凄い量の現地搬入が必要です。
この点もヘリの被災地運用が難しい理由でしょう(了
12:53 AM Jan 10, 2024

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極論空手形 / Extreme Argument Fictitious Bill
記事を読んでいただきありがとうございます。 様々な現象を取り上げ、その現象がどのように連鎖反応を誘発し、その影響がいかに波及するかを検証、分析していきます。 皆様のお役に立てればと考えております。 応援のほど、よろしくお願いいたします。