感染症 エムポックス サル痘 『コンゴ民主共和国から世界中に感染が広がる事態を懸念している』 WHO コンゴ 20231217

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コンゴで流行のエムポックス、全世界に拡大の恐れ WHO
世界保健機関(WHO)は15日、コンゴ民主共和国で流行しているウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」が世界中に拡大する恐れがあると警鐘を鳴らした。
8:30PM 2023.12.16

https://www.afpbb.com/articles/-/3496440
コンゴで流行のエムポックス、全世界に拡大の恐れ WHO 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/monkeypox
Mpox (monkeypox)

https://www.cdc.gov/poxvirus/mpox/index.html
Mpox | Poxvirus | CDC

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/12052-mpox-intro.html
国立感染症研究所
エムポックスとは
令和5年5月26日改訂
国立感染症研究所
エムポックスは、モンキーポックスウイルス(別名 エムポックスウイルス、以後エムポックスウイルスと表記)感染による急性発疹性疾患である。感染症法では4類感染症に位置付けられている。主にアフリカ中央部から西部にかけて発生しており、自然宿主はアフリカに生息するげっ歯類が疑われているが、現時点では不明である。稀に流行地外でも、流行地からの渡航者等に発生した事例がある。症状は発熱と発疹を主体とし、多くは2−4週間で自然に回復するが、小児等で重症化、死亡した症例の報告もある。
病原体
ポックスウイルス科は、感染細胞の細胞質で増殖する、遺伝物質として二本鎖DNAを持つ巨大なエンベロープウイルスで、脊椎動物に感染するChordopoxvirus亜科と、節足動物に感染する Entomopoxvirus 亜科に分類される。Chordopoxvirus 亜科はOrthopoxvirus(オルソポックスウイルス)、 Parapoxvirus、 Capripoxvirus、 Sulpoxvirus、 Leporipoxvirus、 Avipoxvirus、 Yatapoxvirus、Molluscipoxvirus の8属と、未分類のウイルスからなる。
オルソポックスウイルス属のウイルスの形態はレンガ状で、その長径は300nmを超える巨大なウイルスである(写真1)。感染性ウイルス粒子は、細胞内で形成される細胞内成熟ウイルスと、細胞内成熟ウイルスが感染細胞膜から出芽し、細胞膜由来脂質膜をさらに被った細胞外外皮ウイルスからなる。両者の脂質膜上のウイルス糖タンパクは異なる。個体間の感染には細胞内成熟ウイルスが関与し、感染個体内での感染の拡大には主に、細胞外外皮ウイルスが関与すると考えられている。
(形態的にはエムポックスウイルス、天然痘ウイルス、ワクチニアウイルス等を相互に区別できない)
オルソポックスウイルス属には、エムポックスウイルス、痘そうウイルス(天然痘ウイルス)、ワクチニアウイルス(種痘に用いられるウイルス)、牛痘ウイルス等が含まれる。
エムポックスウイルスには大きく分けてコンゴ盆地系統群(クレード)と西アフリカ系統群(クレード)の2種類の遺伝的系統群があり、コンゴ盆地系統群は西アフリカ系統群に比較して、重症化しやすく、またヒトからヒトへの感染性が高いとされる。
感染源・感染経路
エムポックスウイルスの動物からヒトへの感染経路は、感染動物に咬まれること、あるいは感染動物の血液・体液・皮膚病変(発疹部位)との接触による感染が確認されている。自然界ではげっ歯類が宿主と考えられているが、自然界におけるサイクルは現時点では不明である。
 ヒトからヒトへの感染は稀であるが、濃厚接触者の感染や、リネン類を介した医療従事者の感染の報告があり(Aaron TF. 2005, Aisling V. 2020)、患者の飛沫・体液・皮膚病変(発疹部位)を介した飛沫感染や接触感染があると考えられている。
流行地
エムポックスは1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)で初めて報告されて以降、アフリカ中央部から西部にかけて主に発生してきた。
2022年4月24日現在、アフリカ大陸では中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ナイジェリアで発生が持続しており、特にコンゴ民主共和国では2022年1月以降1,152例の患者と55例の死亡例が報告されている(WHO AFRO, 2022)。
一方、アフリカ以外でも、過去に流行地域からの帰国者で散発的に発生報告が見られていた。2018年の英国からの報告では、ナイジェリアからの帰国者2例と、患者に対応した医療従事者1例が報告され、患者の使用したリネン類からの感染が疑われている(UK HSA, 2022)。アフリカ以外での最大の発生は、2003年4月に米国テキサス州でガーナから輸入されたエムポックスに感染したげっ歯類を原因とする事例である。これらのげっ歯類の輸入動物は動物販売業者でプレーリードッグと接し、その後ペットとして販売されたプレーリードッグを介して47例のヒト症例が報告された。本事例において死亡例は報告されず、またヒトヒト感染の報告もなかった(CDC, 2021)。また、本事例に関連してテキサス州に輸入されたげっ歯類のうち、アフリカヤマネ17匹が2003年5月8日に日本へ輸入されたことが判明したが、これらのアフリカヤマネは全頭が死亡もしくはエムポックスウイルス検査陰性が確認され、国内での発生にはつながらなかった。
日本国内では感染症発生動向調査において、集計の開始された2003年以降、輸入例を含めエムポックス患者の報告はない。
2022年5月、海外渡航歴のないエムポックス患者が英国より報告され、また、欧州、米国でも患者の報告が相次いでおり、調査が進められている。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html
エムポックス(サル痘)について|厚生労働省
※令和5年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました。
エムポックスは、1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めの感染が確認された、オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。国内では感染症法上の4類感染症に指定されています。
2022年5月以降、従前のエムポックス流行国への海外渡航歴のないエムポックス患者が世界各地で報告されました。その後、世界全体の症例の報告数は減少しましたが、2023年3月以降東アジア、東南アジアなどからの報告が増加しています。
国内では、2022年7月に1例目の患者が確認され、2023年10月時点でも散発的な患者の発生が報告されています。
1 エムポックス
エムポックスとは?
1 病原体
ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルス
コンゴ盆地型(クレードⅠ)と西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)の2系統に分類される。
コンゴ盆地型(クレードⅠ)による感染例の死亡率は10%程度であるのに対し、西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)による感染例の死亡例は1%程度と報告されている。
2 感染経路
アフリカに生息するリスなどの齧歯類をはじめ、サルやウサギなどウイルスを保有する動物との接触によりヒトに感染する。
また、感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液との接触(性的接触を含む。)、患者との接近した対面での飛沫への長時間の曝露(prolonged face-to-face contact)、患者が使用した寝具等との接触等により感染する。
皮疹の痂皮をエアロゾル化することで空気感染させた動物実験の報告があるものの、実際に空気感染を起こした事例は確認されていない。
(中略)
5 潜伏期
通常6~13日(最大5~21日)
6 治療と診断
(1)臨床症状:
・発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状が0-5日程度持続し、発熱1-3日後に発疹が出現。
・リンパ節腫脹は顎下、頸部、鼠径部に見られる。
・皮疹は顔面や四肢に多く出現し、徐々に隆起して水疱、膿疱、痂皮となる。
・多くの場合2-4週間持続し自然軽快するものの、小児例や、あるいは曝露の程度、患者の健康状態、合併症などにより重症化することがある。
・皮膚の二次感染、気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を起こすことがある。
・エムポックスでは手掌や足底にも各皮疹が出現することなどが、水痘との鑑別に有用とされる。
 ※2022年5月以降の欧米を中心とした流行では、以下のような、従来の報告とは異なる臨床徴候が指摘されている
 ・発熱やリンパ節腫脹などの前駆症状が見られない場合があること
 ・病変が局所(会陰部、肛門周囲や口腔など)に集中しており、全身性の発疹が見られない場合があること
 ・異なる段階の皮疹が同時に見られる場合があること
(2)診断:
・水疱や膿疱の内容液や蓋、あるいは組織を用いたPCR検査による遺伝子の検出
・その他、ウイルス分離・同定や、ウイルス粒子の証明、蛍光抗体法などの方法が知られている。
(3)治療:
・対症療法
・国内で利用可能な薬事承認された治療薬はない。
・欧州においては、特異的治療薬としてテコビリマットが承認されており、我が国においても同薬を用いた特定臨床研究が実施されている。
7 予防法
・天然痘ワクチンによって約85%発症予防効果があるとされている。
・流行地では感受性のある動物や感染者との接触を避けることが大切である。

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