読書記録 琥珀の夏

『琥珀の夏』/辻村深月さん
読了。

かつてカルト集団として批判された団体の敷地から子供の白骨が発見された。
弁護士の法子は、遺体は自分の知る少女ではないかと胸騒ぎを覚える。
30年前の記憶の扉が開き、幼い頃の友情と隠された罪が溢れ出すーー。

物語は、子供の白骨が発見されるところから始まります。
<ミライの学校>を舞台にした作品で、そこで両親と離れ離れで暮らす子供たちが自律して生きるための<問答>が行われます。
「愛」とは何か。「平和と戦争」についてなど基本的なことを子供達と先生が話し合います。
果たしてその環境は、子供たちにとって良い環境と言えるのだろうか。
確かに<ミライの学校>で教わる内容は人間性を豊かにしてくれるのかもしれない。
ただ『洗脳』という形で目線を変えると<ミライの学校>は子供たちの本当の思いを、心の奥底にとじ込めて鍵をかけてしまっているのかもしれない。

何が正解で何が間違っているのか。何を信じたら良いのか。

教育についてまだ何も経験がなく無知な私だが、そんな人生観を考えさせられる作品でした。

琥珀の夏 素晴らしい作品でした。

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