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猶予
高校2年生のわたしに、あとどれだけの時間が残されているか。ちょっと深く考えてみた。
3年間のうちの、1.5年。つまり半分が過ぎ去ろうとしている。あと1ヶ月で今年が終わる。残り4ヶ月でわたしたちは3年生になる。
自分の夢も進みたい道も、夢も。不明確なままに個人面談を終えて、提出締切を越えてから入力したGoogleフォームのなんたる冷たいことよ。
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朝焼けが私を直視してくる窓際の席が痛くて。
当たり前に「新3年生」と言われてしまうことが辛くて。
なれるかも分からないのに、その時生きているかすら分からないのに。
本当にこの道で良かったのか、がずっとつきまとう。
本当にしたいことは何?
そう言われて、聞かれても、今の私には何も分からない。
なるがままに文系を選んで、行きたい大学、学部を決めた。中学、高1でやりたいと思っていたことはよく考えてみればいつしか「本当にやりたいのか分からない」ものになっていた。
不安定にしか返答できない、自分の未来に。
優しく見つめられても、うなだれたままその視線を弾いてしまう。
2年生のメインイベントの修学旅行が終わりを告げてはや1週間。もうすぐ二学期が終わる、その前に期末テストがあって。
そして、あの子たちは4ヶ月で3年生になる。
私?わたしはなるかどうかは知らない。それすらも分からない。
わたしは、当たり前に学年が上がることすらも、断言できない。
担任との個人面談で、言いたいと思っていたことを準備していた。
「先生、私、小説家になりたいんです。本や小説のことを専門的に学べる大学に行きたいです」と。
準備していた言葉はいとも簡単に崩れ、喉の奥へと引っ込んでいった。ああまたか。そう思ったよ。
いくらでも言うタイミングはあったはずなのに。
それをみすみす逃したのは、紛れもない自分自身だ。
情けない、と。わざわざ抜けてきた部活に戻る帰り道で泣いた。ひとりトイレへと駆け込んで。
時刻は午後5時をすぎた頃だっただろうか。日の暮れ具合から、そうだった気がする。タオルなんて持ってなかったから、部活のウェアで涙を拭いたこと。
なんで泣いたかとかちゃんとした理由があった訳じゃない、だけど。今ここで泣いておかないといけない、そう思った。
なにも確定づけることの出来ないまま部活を終え、家に帰る。入力フォームはあともう送信するだけ。それを押す勇気は、その日の私にはなくて。もう考えたくなくて、そのまま布団にはいった。
1ヶ月後、終業式の日に科目が決まるんだろうな。
どんな選択をしたとして、希望が通らなかったとしても、その時の私が笑っていられますように。心から。