世界の兄貴奮闘記⑦物怖じしないK野さんの結末 前編
俺が製造業で働いていたころ、工場内でパワハラがまかり通っていた。
俺の会社はこのころ工場が2つあり、俺の働いていたA工場はパワハラ工場。もう一つのB工場はユルユル工場やった。
たまにユルユルのB工場から、俺のいるパワハラのA工場に応援で人が来るが続かずすぐにやめる。これが恒例になっていた。
俺がおったA工場は女性が多く、人間関係がドロドロしとって、女性特有のチクリから、俺ら若手男性社員がパワハラ課長の標的になっとった。
そのパワハラ課長は持ち味の強権でA工場を支配し、女性社員から一目おかれる元締め的存在。一方、男性社員から嫌われとった。
北朝鮮で言うたら、女性社員は喜び組みたいなもん。男性社員は奴隷状態。
自分の地位を利用し、好き放題しとった。俺は若かったから、いつでもこんな会社辞めたるわと思いながら仕事しとったから、パワハラ課長が怖くなかった。
殴り合いしたら勝てるわという幼稚な自信も持っとった。
他の男性社員はビビりまくっとった。誰でも怒られるのは嫌やから、気持ちは分かる。家庭持ってる人なんかこうなるやろう。
そんな日々が続いてたある日、B工場から物怖じしないキャラクターのおっさんがやってきた。名前はK野さん。設備担当で多分、俺の上司になる人やと思った。
K野さんは上司であろうが年上であろうが、自分の意見をズバズバ言う頼もしい存在やった。一方、俺ら若手社員に対してはフレンドリーで優しい人やった。男らしくてカッコいい。
俺はその時、やっと俺らを守ってくれる存在の人が来てくれたかと思い喜んどった。
パワハラ課長から俺らを守ってくれるんやって思い、ホッとしながら仕事ができる。充実した会社生活が送れるかもしれんと期待もしとった。
K野さんは早速、物怖じしない感じで、パワハラ課長に意見を言い始めた。
パワハラ課長もいつもと違い、大人しい。
数か月経過したある日、大事件が発生した。
後半に続く
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