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現実と倦怠(散文詩)

読めない現実と倦怠をすべて巻き取って
世界はぐるぐると回っている。私はその
外側にいるがお尻についた尻尾のような
ものが巻き取られている先に絡みついて
いる。「読む」という行為と「書く」とい
う行為は別物だと思い知らされる。読ま
れたものは心の別の場所に預けられ書く
気持ちはするすると私の意識なしに世界
に繰り出していく。だから私は言葉を魚
と名付けるのだろう。ひっきりなしに胸
から外の世界に泳ぎ出していく。いつ終
わるともしれない倦怠が前髪を掠めてい
く。本を開く頁に指が届かない。泣きた
くはないけれど泣きたい気持ちと同じよ
うに冷たいものが肩にのしかかる。自由
になりたい思いが胸のなかでちりちりし
ている夏私はその他のなかの一人だけで

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