九州NFTラボによる地域活性化のためのNFT活用/第90回Growth Pitchレポート
インターネットの進化は、Web1からWeb2、そしてWeb3へと続いています。日本国内でもWeb3への取り組みは進み、政府がWeb3に関する政策を検討し、成長戦略に盛り込むなど、環境整備が進行中です。
また、地方創生や関係人口増加の文脈でWeb3を活用するプロジェクトも増加しています。今後、インターネットはどのように進化し、どのような未来を歩むのでしょうか。
2024年6月13日、福岡市の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」は、「Growth Pitch 〜Web3特集〜」を現地・オンラインのハイブリッドで開催。
Web3領域でビジネス展開する4社がサービスや協業ニーズについてプレゼンしました。本記事では、九州NFTラボの模様を紹介します。
元警察官がブロックチェーンで地域を変える
九州NFTラボは、「地域の未来を作る交流人口・地域の資産化」をミッションに掲げ、NFTを誰でも手軽に簡単に活用して地域を活性化させる仕組みを提供しています。
代表の時田悠樹氏は、元警察官で金融犯罪捜査の経験があるという、異色の経歴を持っています。警察官時代に、ブロックチェーン技術と出会ったことがきっかけで地方創生に取り組み始めました。九州NFTラボは、地方創生に関連する多様な社会課題に取り組んでいます。
まず、多くの地域が直面している「人口減少」と「経済の衰退」という根本的な問題に対し、NFTを活用して交流人口を増やし、地域経済の活性化を目指しています。
また異なる地域や事業者間の連携不足も大きな課題となっており、NFTを活用したプラットフォームの構築によって、この問題の解決を図ろうとしています。
九州NFTラボは、Web3やブロックチェーンを難しいものではなく、既存のもののデジタル化や効率化する手段として捉えています。
ブロックチェーンのメリットとして、継続した取り組みや連携のしやすさ、プライバシー保護などを挙げており、これらを活用して地域が抱える課題解決を目指しています。
九州NFTラボが開発したコミューアプリケーション「COMMUN」は、インストールするだけで設定不要で誰もが使え、個人情報入力なしでNFTの取得から認証まで一気通貫で行えるのが特徴です。
九州NFTラボが描く広域プラットフォームの未来
「COMMUN」の導入コストは基本プランで約30万円からで、2000枚のNFT配布、認証、クーポン、通知、アンケート機能などが含まれています。ICカードをスマホで読み取ることで迅速にNFTを取得できるなど、ユーザビリティの高さが強みです。
具体的な使用例として、店頭のQRコードを読み込むことでクーポンとして利用したり、イベント後もNFT保有者に通知を送ったりポイントカードとして活用したりすることができます。
個人情報を取得せずに個人を識別し、インセンティブを与えることができる点や、異なるシステム間の連携がしやすい点を「COMMUN」の強みとしています。
現在、有田町や鹿島市での関係人口創出、福岡城でのスマホ木札販売などの実績があり、平均して取得したNFTの約2割が実際に活用されているとのことです。
これからの構想として、福岡市と北九州市が連携して相互送客を行うなど、地域全体の活性化を目指しています。
今後の展望として、時田氏は「1つのNFTを複数の地域や事業者が活用し、相互に連携していくプラットフォームとしてブロックチェーンとNFTを活用していくことを目指している。NFTをひとつの手段として、どう使っていくかを一緒に考えていきたい」と述べました。
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「Growth Pitch」では、福岡市の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」が、毎月異なるテーマのスタートアップを招集し、投資家や地域企業に向けてピッチを披露する機会を設けています。
次回は7月11日に第91回Growth Pitch「エネルギー特集」を開催します。無料で現地・オンライン共に参加可能です。みなさまのご参加をお待ちしております。
▽次回の開催概要はこちら
https://growth-next.com/events/growthpitch91