詐欺対策のグローバルリーダー、Whoscall株式会社が描く安全なデジタル社会/第94回Growth Pitchレポート
日本貿易振興機構(JETRO)の統計によると、日本の外資系企業の50%以上が企業連携を実施していないか、または検討していない状況です。
企業連携における最大の課題は、パートナー候補に関する情報収集の難しさです。その他、社内体制の問題やデューデリジェンスの難しさ、コミュニケーションの課題なども挙げられています。
一方、近年では福岡市内に拠点を構える海外スタートアップが増加傾向にあります。海外発スタートアップと地域企業の連携により、それぞれの企業が抱える課題が解決され、地域経済が拡大することが期待されています。
2024年10月9日、福岡市の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」は、「Growth Pitch 〜海外発スタートアップ特集〜」を現地・オンラインのハイブリッドで開催しました。
海外発のスタートアップ5社がサービスや協業ニーズについてピッチを披露。本記事では、Whoscall株式会社を紹介します。
Whoscall株式会社(フーズコール)
https://whoscall.com/ja
26億件のデータベースを武器に詐欺対策を展開するテックカンパニー
Whoscallは、台湾に本社を置くGogolook社が開発したアプリ・サービスを日本で展開するテック企業です。「世界のモバイルデバイスに最も信頼のおけるコミュニケーションネットワークを築く」をビジョンに掲げ、東アジア・東南アジア最大級の26億件の電話番号データベースとAIを活用した詐欺対策サービスを31カ国以上で展開しています。2020年に初の海外子会社を福岡に設立しました。
詐欺被害は世界的な社会問題となっており、グローバルでの被害総額は1兆円を超え、25%の人々が影響を受けています。日本国内でも令和5年には約1400億円の被害が報告され、オレオレ詐欺やSNS型投資詐欺、フィッシング詐欺など、手口は進化し続けています。特に生成AIの普及により、精巧な偽サイトが大量に生成される新たな脅威も出現している状況です。
Whoscallのコア技術は、BtoCサービスとしての「Whoscall」アプリと、BtoB向けのエンタープライズソリューションの2本柱で構成されています。エンタープライズソリューションでは、ブランド保護サービス「Watchmen」、ホワイトラベルOEM製品、API/SDKによるデータベース提供、本人確認・信用調査が可能なeKYCサービスなど、包括的なセキュリティソリューションを提供しています。
一次データ収集とAI活用で実現する高精度な詐欺検知
Whoscallの強みは、政府機関や警察との連携による一次データの収集、詐欺対策に特化したAIアルゴリズム、専門の詐欺調査チームの3点です。これらを組み合わせることで、高精度な詐欺検知・防止を実現しています。
事業展開においては、すでにGoogleのCEO経験者や台湾の政治家など、各界の著名人からの支持を得ており、日本では福岡市での実証実験を皮切りに、渋谷区や楽天モバイルとの協業を進めています。
また、Google、Amazon、Meta、Microsoftとともに「グローバルアンチスキャムアライアンス」を設立し、国境を越えた詐欺対策の情報共有を推進中です。現在、同社はBtoC/BtoB製品の販売開拓パートナーおよび日本企業のトライアルメンバーを募集しています。
今後の展望について、登壇したCEOの羅氏は「詐欺問題は一民間企業では解決できない課題です。情報通信、金融、EC事業者、銀行、自治体など、様々なパートナーと共に詐欺対策のエコシステムを構築していきたい」と述べました。
文・写真/株式会社ECHO
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「Growth Pitch」では、福岡市の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」が、毎月異なるテーマのスタートアップを招集し、投資家や地域企業に向けてピッチを披露する機会を設けています。
次回は12月12日に第96回Growth Pitch「地域イノベーション特集」を開催します。無料で現地・オンライン共に参加可能です。みなさまのご参加をお待ちしております。
▽次回の開催概要はこちら
https://growth-next.com/events/growthpitch96