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AccuPredictがAIとセンサーで製造現場の予知保全に挑戦、AccuPredict Services Pte Ltd/第94回Growth Pitchレポート

日本貿易振興機構(JETRO)の統計によると、日本の外資系企業の50%以上が企業連携を実施していないか、または検討していない状況です。

企業連携における最大の課題は、パートナー候補に関する情報収集の難しさです。その他、社内体制の問題やデューデリジェンスの難しさ、コミュニケーションの課題なども挙げられています。

一方、近年では福岡市内に拠点を構える海外スタートアップが増加傾向にあります。海外発スタートアップと地域企業の連携により、それぞれの企業が抱える課題が解決され、地域経済が拡大することが期待されています。

2024年10月9日、福岡市の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」は、「Growth Pitch 〜海外発スタートアップ特集〜」を現地・オンラインのハイブリッドで開催しました。

海外発のスタートアップ5社がサービスや協業ニーズについてピッチを披露。本記事では、AccuPredict Services Pte Ltdを紹介します。

AccuPredict Services Pte Ltd
https://accupredict.io/

革新的な予知保全システムの仕組みと効果

シンガポールを拠点とするAccuPredictは、「マシーンズランフォエバー」を経営理念に掲げ、製造現場や工場における問題解決に特化したセンサーとシステムを提供するサービスプロバイダーです。CTOのSanjay Deshpande氏は、デンマークの大学を卒業した起業家であり、現在は博士課程の学生への指導も行っています。

AccuPredictのソリューションは、消費エネルギーの削減、予期せぬ機械故障の防止による生産性向上、そして定型作業の効率化による人材の有効活用という3つの主要な課題解決を目指しています。技術面では、無線小型センサーとクラウドコンピューティングを組み合わせ、97%という高い精度で機械の状態を予測することが可能です。特に、競合他社が一般的に採用するAIや機械学習アプローチとは異なり、物理学をベースとした予測システムを採用している点が特徴的です。

日本の製造業再興を支援、福岡を拠点に展開を加速

導入コストについては、センサー1台あたりの初期費用が500シンガポールドル、月額のランニングコストが100シンガポールドルです。同社は導入効果に強い自信を持っており、90日間の試用期間中に測定可能な改善が見られない場合は、全額返金を保証するという画期的な提案も行っています。

実績としては、フォーチュン500企業での導入事例において、わずか3ヶ月以内に機械の故障時間、修理費用、メンテナンス残業時間の大幅な削減を達成しています。自動車、産業消費財、セメント、石油、発電所など、幅広い業種での導入実績を有しています。

今後の展望としてAccuPredict は日本市場、特に福岡を拠点として展開を強化していく方針です。この選択は、日本の製造業の集積度の高さ、福岡市の充実したスタートアップ支援体制、そして国際的な交流の活発さを評価してのものです。製造現場のデジタル化が進む中、AccuPredictの提供するソリューションは、日本の製造業の課題解決に貢献する可能性を秘めています。

最後にマーケティングマネージャーのDEEPA氏は「近年衰退している日本の製造業の再興を促進し、再び競争力を持たせることが重要だと思っています。現場により寄り添った形でツールを提供し、導入時のサポートを強化することで、さらなる普及を目指したい」と述べました。

文・写真/株式会社ECHO


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「Growth Pitch」では、福岡市の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」が、毎月異なるテーマのスタートアップを招集し、投資家や地域企業に向けてピッチを披露する機会を設けています。

次回は12月12日に第96回Growth Pitch「地域イノベーション特集」を開催します。無料で現地・オンライン共に参加可能です。みなさまのご参加をお待ちしております。

次回の開催概要はこちら
https://growth-next.com/events/growthpitch96