見出し画像

“世界一の製品”を知ってもらう ここはチャンスの宝庫 / 胡 振程 [フー ジェンチェン、James Hu](HMS 代表取締役社長)

企画・制作:Ambitions

HMS 株式会社
設立:2018年9月13日

世界最先端の人工知能技術とエッジコンピューティング技術を掛け合わせ、画像入力と処理を一体化した世界最速・最小クラスのAIスマートカメラおよびARスマートグラスシステムの開発と製品化を行う。

「世界一の製品しか、つくらない」 技術者としての決意

中国・吉林省出身のJamesさんが九州と縁を持ったのは1996年。きっかけは、熊本大学の大学院で行われていた、聴覚障がい者の支援につながる「発話解析」の研究に興味を抱いたことでした。

「発話解析は、唇の動きから発話内容を読み取る研究で、今でこそAIにより発展した分野ですが、当時は黎明期。その先進性にワクワクして、大学時代から住んでいた上海から熊本へ移住しました。ただ、入学後に研究テーマが自動運転のための画像処理に変わって。それが今、画像処理をなりわいにしている原点です」

熊本大学大学院では博士課程を修了し、画像処理技術を扱うカナダのMatrox社に就職。その後、熊本大学の恩師から准教授着任の誘いを受けます。

「グローバルビジネスにやりがいを感じながらも、根っからの研究肌であるため、教鞭をとる決意をしました」。

研究を続ける Jamesさんを、再びビジネスの世界に連れ出したのは、車載カメラの部品メーカーを立ち上げた教え子でした。

「大型の資金調達をする際、ビジネスとテクノロジーに詳しい人材の経営参画が不可欠だったため、私に白羽の矢が立ち、CEOに就任しました。約3年間かけて年間130万台規模の売り上げにまでスケールアップし、量産・量販化の体制も整えることができました」

2018年、「自分も世の中の役に立つモノづくりがしたい」と考えHMS株式会社を創業。「世界一の製品でなければ、つくらない」という信念を軸に、画像入力と処理を一体化した世界最速・最小・最軽量クラスのAIスマートカメラ「SiNGRAY」シリーズを展開しています。

FGN の情報網をフル活用し、認知拡大や資金調達を実現

JamesさんがFGNへの入居を決めた理由は、アクセスできる情報量を増やしたかったからだと話します。

「一人起業で事業の方向性を見失わないためにも、スタートアップ業界の動向やテクノロジーのトレンドなどをキャッチアップしたいと感じていました。FGNに入居したことで、事務局の皆さんや入居している他の起業家、イベントや交流会で出会う福岡の地場企業の方々と活発に情報交換することができました。FGNの皆さんにはたくさんのサポートをいただきましたが、中でもイベントの情報共有は助かりました。スタートアップは認知を得られる機会が少ないですが、紹介していただいたコンテストに参加し、そこで私の事業と関連の深い方々とつながることができたのです。もちろん、現在もいい関係が続いている企業さんばかりです。

FGNの事務局の皆さんには、スタートアップが事業を成長させるのに必要な知識や経験、人脈があります。プロダクトの方向性や私たちの領域に合わせた大企業との連携について相談を繰り返しました。最初の資金調達はFGNで生まれたご縁で達成しました」

HMSのCOOには、FGNでJamesさんのメンターを務めていた山本公平さんが就任しており、今では事業成長に欠かせない存在となっているそうです。

福岡市を拠点に海外企業・VC と連携を加速

福岡市は市全体でスタートアップを支援するシステムを整えています。今後もさらに有望なスタートアップを創出するため、Jamesさんは「福岡市に世界の企業・投資家とつながる場が増えること」を期待します。

「スタートアップが成長し続けるためには、企業・投資家との縁やサポートが重要だと考えます。国内だけでなく海外の企業・投資家への露出チャンスを増やすため、福岡市やFGNが国外と福岡をつなぐチャネルを創出してくださるとうれしいです。今後もFGNとの関係を大切にしながら、福岡市のスタートアップエコシステムの拡大に貢献していきたいです」


事務局コメント

設立時、抜群の技術力とメンバーを目にして「これは間違いない!」と確信したことを思い出します。グローバル展開が最も近いスタートアップのひとつだと期待しています。(池田)