起業するには事業計画書が必要か
こんにちは、郷田郁子です。自治体などの起業塾の講師・個別相談、中小企業の経営コンサルティング、 IT企業の取締役(会計・人事などコーポレート系何でも担当)をしてます。起業段階から売上数百億程度の企業までのご支援経験があります。
毎月、地元自治体の窓口で起業相談を担当しているのですが、「起業したいのですが、まず事業計画書を書いたらいいのでしょうか」という質問を時々お受けします。
私がお伝えするのは
「大きなお金が動くなら書いたほうがいい・動かないなら書かなくても構わない」
です。
例えば3000万銀行から借りて居酒屋やろうと思ってます!という方には、事業計画書書きましょう!とお伝えします。
しかし、自宅で趣味のパン作りを教えるパン教室をする予定で、事業を大きくするつもりはない、という方には、無理して事業計画書書かなくてもいいですよ、とお伝えしてます。
慣れない計画書をきれいに作るよりも、とりあえず教室開いてみて→お客さんの反応見て見直して→またやる、というサイクルを早く回していくことがいいんじゃないかと思うためです。(もちろん書きたい方が書くのはいいと思います!)
そもそも事業計画書は何のために作るのか
というのを乱暴にまとめると、
①お金や自分の行動をコントロールしていくため
②関係者を説得し協力してもらうため
に作るものである、と思います。
①自分の行動やお金などをコントロールしていくため
今月の売上30万で計画したのに、10万だったら、ヤバイ商品見直さなきゃ!とか、今月買うつもりだった機械買うの辞めて経費を抑えよう!というような、自分の行動を調整するための目的が一つ。
②関係者を説得し協力してもらうため
例えば、3000万銀行から借入して居酒屋を作るなどの場合、「ほんとに返せるのか?」と申し込みの際に銀行が審査をするため、「ちゃんとこれくらい売上があって、経費を引いても利益が残るから、返せます!」という見込みを示すなどです。
銀行さんに私にお金を貸して!と説得するために使うんですね。
一緒に起業する仲間やスタッフがいる場合は、そういう仲間に進む道を示すことにもなります
前述の3000万居酒屋さんは、銀行から借入するために説得という意味で事業計画が必要です。
それに毎月返済しなくてはいけないので、「今月売上30万の予定が10万しか売り上げなかったから返せないよ~」というわけにはいきません。宣伝するとか経費抑えるとか、自分の行動コントロールという意味でも事業計画が必要になります。
そのため、「事業計画書」としてかっちりしたものを形として仕上げて皆に見せる必要があります。
しかし、自宅パン屋さんは、返済がない、やるのに誰かを説得するわけでもない、などであれば、事業計画書としての形は必要ありません。
事業計画書という形でまとめずとも、手元のノートに「月5回開催で1回4名の生徒を目標とする」と書けば十分かもしれない。自分の目標や負担に合わせての形でいいと思います。
自分に合わせて事業計画を「選択」する
書類作業が苦手な方は無理を押してまでしなくていいですよ~、とお伝えすると、すでに起業して人気のある起業家さんでも「ああよかった、私は事業計画書を作ってないので、ずっと自信がなかったんです」とおっしゃる方がいます。
特にクリエイティブ系の方や飲食系の方など、書類づくりが苦手で・・事業計画を作る事自体が負担が重すぎて、起業できない・・とい方もいらっしゃったり・・・それは本末転倒なので、無理せず作らないか、得意な人に作ってもらうなどをおすすめしたりしてます。
事業計画書のみならず、例えばSNSをすべきかとか、なんとかに広告を出すべきかとか、起業ではいろんな「べき論」があります。
でも大事なのはご自分の事業にプラスになる事なのかどうかということ。事業の種類、ご自身の目指すところ(事業拡大するぜ!なのか、マイペースに続けたいわ~なのか)などにより、それは様々変わると思います。ご自身の必要なものをぜひ取捨選択されてください。
事業計画を作ってみたい場合はどうするか
とはいえ、事業計画書作ることはご自身の整理のためにもいいことと思うので、作ってみたい!とご興味のある方は、日本政策金融公庫の創業計画書などを参考にされてみてください。(以下ページの「3 創業計画書」です。業種別記載例もあります)
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
一人でゼロからはハードル高い、、、という方は、地域の自治体や商工会議所・商工会、金融機関などが「起業塾」「創業塾」などを開催していることがありますので是非探してみてください。(参加費は無料~数千円程度が多い)いろんなサポート制度の情報などが得られたり、起業仲間が出来て有益かと思います!
また、事業計画の要素をアプリで気軽に入力してまとめられるものが出ております!会計サービスのfreee提供の「起業時代」です。すごろくみたいに1ステップずつ入れていけるのでスマホで気軽に操作できます。
https://www.freee.co.jp/kigyojidai/
ご参考になれば幸いです。
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