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「インセプションデッキ」を使ったチームビルディングをご紹介します。

Hello, note! アジャイル開発チームのA氏です。

唐突に質問ですが、インセプションデッキを知ってますか?

私たちアジャイル開発チームは新しい開発プロジェクト(チーム)の立ち上げ時にこの手法をよく使いますが、用途は開発に限った話ではなく、チームビルディングにおいて汎用的に使える手法です。

そこで今回はインセプションデッキの概要と、私が実施する時のちょっとした工夫をご紹介します。


インセプションデッキとは?

インセプションデッキとは、新しくチームやプロジェクトが立ち上がる時のファシリテーションで使える便利なフレームワーク(進行方法)です。

「アジャイルサムライ」というアジャイル開発業界のバイブルとも言われる書籍で紹介され、広く知られるようになったので、システム開発の現場で取り入れられることが多いようです。

プロジェクト立ち上げ時はプロジェクト概要、スケジュール、想定コスト、やることの優先順位など、様々な情報をメンバーが理解する必要があります。

またメンバー間のヨソヨソしさを緩和し、活発なコミュニケーションができる雰囲気も作りも大切です。

このようなプロジェクト理解とコミュニケーション活性化を達成するためにインセプションデッキは役立ってくれます。


インセプションデッキの具体的な内容

インセプションデッキは以下の5つのWhyと5つのHowで構成されます。

私たちが行う際は関係者が一定時間集まり、それぞれの問いに対する回答を全員で作り上げるスタイルで進行します。

■ 5 Why

1.我われはなぜここにいるのか (Why1)
2.エレベーターピッチを作る (Why2)
3.パッケージデザインを作る (Why3)
4.やらないことリストを作る (Why4)
5.「ご近所さん」を探せ (Why5)

■ 5 How

1.解決案を描く (How1)
2.夜も眠れなくなるような問題は何だろう (How2)
3.期間を見極める (How3)
4.何を諦めるのかをはっきりさせる (How4)
5.何がどれだけ必要なのか (How5)

パワポのスライドや模造紙を用意し、1項目ごとに整理していくわけですが、フォーマットのサンプルはインターネットで探すとすぐに見つかります。

ありものを加工して使った方が、1から作るより効率よくできるのでおすすめです。(↓↓ SlideShareに公開されてる一例です)

https://www.slideshare.net/AtsuoAoki/ss-125671783


インセプションデッキ実施時の工夫

私がインセプションデッキのファシリテーターを担当する時に工夫している点をいくつかご紹介します。


1.5 Why, 5 Howを全てやろうとしない

インセプションデッキの目的はチームの共通理解とコミュニケーションの土台作りですので、全項目を行うことを目的にする必要はありません。

10項目全て行おうとすると儀式的な雰囲気が生まれてしまいますし、かなりの時間もかかります。

プロジェクト特性やメンバー構成によっては不要な項目もあるでしょうし、逆に丁寧に行わなければならない項目もあるでしょう。

自分がファシリテーションをする際は、上記のような特性を考えて重点項目や抜く項目を決め、進行しやすいように準備しています。


2.アイスブレイクからスタートする

インセプションデッキを始める際はいきなり本題から入らずに、アイスブレイクから入るようにしています。

プロジェクト立ち上げ時は初対面や普段関わりの薄い人が集まることが多いですよね。

集まった人を和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作るために、アイスブレイクとして何かミニゲームを行うようにしています。
(アイスブレークのネタは、ググればたくさん見つかります)


3.オリジナリティを出す

インセプションデッキの現場は5 Why, 5Howのスライドや模造紙を使いながら進めますが、テンプレートをそのまま使わずに加工して、オリジナリティを出すことをおすすめします。

プロジェクトの特性を表すイラストや文言を入れたり、最近のキャッチーな話題だったり。

参加者の興味を引きやすい情報を入れ、進行中も心を動かす刺激を与え続けると、柔軟なアイデアが生まれやすくなります。


4.半ば強引な全員参加型のファシリテーション

参加者には主体的に参加して欲しいものですが、ファシリテーターの希望とは違って、前のめりで参加してくれる人もいれば、控え目で発言しない人もいます。

ほおっておくと一部で盛り上がるだけになってしまうので、挙手しなくても発言チャンスが平等に訪れるよう少し強引なファシリテーションを行います。

狙い通り全員で議論が活発になる場合もあれば、最後まで静かなメンバーが残ってしまう場合もあります。

トライした結果がそれなら仕方ないですし、次回に向けた改善点として活かせばいいと割り切るようにしています。


以上、今回はインセプションデッキ全般と私なりの工夫についてご紹介しました。

楽しみながらプロジェクト理解とコミュニケーション土台作りに活用してみてはいかがですか。

それでは!