2021年の研究まとめ

本記事はペンシルパズルアドベントカレンダーの15日目の記事です。

初めまして、またはお久しぶりです、fffです。

普段はパズルを解いたり作ったり、手筋や性質などを考察したり検証したりしています。

せっかく年末なので、今年個人的に何を考察したり検証したのかを振り返りつつ補足していこうと思います。
※読み物的面白さはあまりないかと思われます。

1. スリザーリンクの隅の4×4/3×5スペースの唯一解性

画像1

3×4および2×n(nは任意)では唯一解にすることが出来ることが分かっていましたが、4×4および3×5については非自明な唯一解パターンが存在するかどうか、経験則的には存在しないと思っていましたが実際に証明をしたことはありませんでした。

今回sugarを利用してすぐ外側のループのつながり方に関する全探索をすることにより、実際に非自明な唯一解パターンが存在しない事を示しました。

この研究は当初空中6×7以上で解が存在しない事を示すことを目的として行っていましたが、現実的な速度で全探索をすることが出来る枝狩りやアルゴリズムを発見することが出来なかったため、より容易に全探索可能な形で調べました。今後良い方法が思いついたら検証していきたいと思っています。

2. 9×9 star battleの☆1/☆2二重成立問題の構成

発表したときのツイート
☆1問題 ☆2問題

画像2

存在するかどうか知らなかったので構成しました。

構成手法は、R2,8の二つの長方形を固定した時の9×9 2starの解を全列挙し、その解の一つに収束させることを意識しながら唯一解になるように調整したものでした。

解いていただいた方の感想で「1starの方が難しく感じた」という物が多かったのですが、これはスターバトルの星数に対して適正サイズから離れれば離れるほど解きにくくなるのではないか、という予想があります。

より具体的に書きます。

1starスターバトルの最小盤面は(1×1を除くと)4×4、2starでは8×8が最小で、領域の区切り方にかかわらず全2解です。そして、そのサイズから離れれば離れるほど星の密度が低下し、星同士の相互作用が弱くなります。
結果、1つの星が確定するまでにさまざまな星同士の作用を考える必要がでてくるため、このサイズから離れると難易度があがるのではないか、と考えています。

3. 手筋を利用して解くスリザーリンクソルバー

fffが提唱している定理だけを搭載したスリザーリンクソルバーが実際にどの程度までスリザーリンクを解く事ができるのか、を検証したく、実装していました。現状数字と通過点定理までしか実装できていないので今後フル実装したいと思っています。

また、副産物になりますがスリザーリンクのpuzz.link URL等を投げると手筋を教えてくれるツールがもし作れたら実用性があると思っています。
おそらくフル実装してどこまで解けるかを評価した後になるとは思いますが...。

4. 白ましゅが格子状に並んだ配置に関する考察

先日取り急ぎnoteにまとめた話ですが、補足記事を書きました。おそらくこの記事と同時に公開されると思います。

画像3

概略としてはこのように格子状に白ましゅを並べるとなぜか確定していたのがなぜか考察したものとなります。

5. Instructionless Grid関連研究

どうしてもネタバレを含んでしまう内容になるのですが現在もイベント進行中ですので、後日内容が公開・更新される予定です。

間違いなく2021年にやったことなので後に見返すことを考慮し枠だけ取っています。

6. 全ての辺の長さが2以上の長方形領域のみからなるストストーン盤面の構成

こちらの問題がその構成となっています。

中央の6×8部分が本質なのですが、ここについて幅3以上で構成可能かどうかは不明です。

?. 終わりに

パズル界はtwitterなどでいろいろな議論や研究がなされている一方でしっかりとした記録や文章化がなされていない傾向にあると思うので、防備録もかねて自分がおこなったことをまとめてみました。

もし「これもやってた」という指摘があればぜひfff(@puzzlerfff)までご連絡ください。軽い解説込みで書き足させていただきます。
(書き足すためにこの章の通し番号を?にしています。)

来年からもパズルの知見や手筋についての理解が深まっていくことを祈ってこの記事を締めさせていただきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!