デッドウッド・イン・ザ・ライ

脳内の芯のような何かが氷のように冷たくなって手足が水の中にあるように重たくなる
体は動かせないそのぶん思考だけが壊れたテープのように何度も同じところを繰り返し脳内のスクリーンに映しつづけている それは幸せ“だった”ときの風景だったり嫌だった思い出の継ぎ接ぎだったりする 余りにも鮮明に グロテスクに

その反芻に発狂する前にSNSに齧りついて情報を貪り続ける 不健康な情報で脳内の投射機とスクリーンの間を埋める
目蓋は今にも落ちそうなのに頭ばかりさえて眠ってはいけないと信号を出している 情報を入れ続けなくてはいけない 埋め続けなくてはいけない 夜が明ける朝がくる ようやく気を失う 眠る

共感は得られない 共感した人間がいたとしてそれを表には出さない 抑圧されるべきロゴスでもってそれを表現に昇華した人間がカルトの教祖になる
それはバンドそれは漫画家それはサリンジャー それに自分はなれない だから赤いハンチング帽をいつもかぶっている 深く 深く

よろしくお願いします。