自分の状態についての説明
このnoteは自分の治療記録として始めて、普通に読んでもらうことを想定していない。そのため診断や心理療法についてまったく説明をしてこなかった。ここで少し自分なりに説明をしておこうかと思う。自分が本などから得た知識であるので、間違っていたら指摘してほしい。
私は現段階で複雑性PTSDとの診断を受けており、転居して治療を受けている。このnoteはその記録である。
以下は自分の状態についての説明のため記載する。
トラウマなんだよね、それトラウマになるわ、と、日常会話で使うことがあると思う。このトラウマが元になって引き起こされる状態が、複雑性PTSDである。新しい概念なので、まだ精神医学界隈にも充分浸透していない。
PTSDならば聞いたことがあるかと思う。PTSDとは、強烈なストレスをもたらすような出来事がトラウマとなって引き起こされる状態である。
主な症状は3つだ。
1.再体験…トラウマとなった出来事が今まさに起きているように思える=フラッシュバックを起こす
2.回避…トラウマとなった出来事に関連した物事を避ける
3.過覚醒…常に緊張しており、ちょっとした物事さえ恐れ、怒る
PTSDが認識されるようになったきっかけは戦争である。戦争帰りの兵士たちの様子が共通しているので、研究されるようになった。
では、複雑性PTSDとは何かというと、トラウマとなるような出来事を繰り返しまたは長期間に渡って受けた場合に引き起こされる状態である。
PTSDに下記の症状が追加される。
4.感情の調節が困難
5.自己への否定的な観念・無価値感
6.対人関係の障害
幼少期からの虐待・ネグレクト・性被害・いじめ等を受けた場合、大変なストレスがかかるが逃げられない状況が長期的に続いた場合に複雑性PTSDを発症することがある。
治療方法はいくつかあるが、近年で目覚しく効果をあげることが判明したのが、心理療法、特に身体療法である。
トラウマについて説明すると長くなるので省略するが、PTSD・複雑性PTSDとは、トラウマが身体に残ってしまっている状態であると考えられている。
そのトラウマを、身体に働きかけることによって軽減させるという療法である。
この心理療法を扱えるのが臨床心理士だが、大変なので、扱える心理士は少ない。なお、医師が扱えることはほとんどないと言っていい。
以下に心理療法の例を一部挙げる。ついでに感想も書いておく。
■カウンセリング
話す方法である。
[感想]集中して4年受けたが、良くならなかった。
■思考場療法(TFT)
ツボを叩くことで恐怖や不安などを緩和させる。
[感想]毎朝やっているがまったく効かない。
■EMDR
眼球を動かすことで、記憶を整理する。
[感想]切れ味がすごいので私はまだ受けられない。
■ソマティック・エクスペリエンシング(SE)
トラウマ体験後に未完了となった心身のプロセスを完了に導く。
[感想]イメージや感覚を使うので、私はまだ受けられない。身体感覚が解離している(らしい)からであり、実はちらっと受けたらしいがまったく反応がなかったそうだ。
■ボディ・コネクト・セラピー(BCT)
EMDRとその他の心理療法を組み合わせている。
[感想]私には効かなかった。
■自我状態療法
自分の中の、いろいろな自分の部分と、イメージを使って対話をする。
[感想]心理士とやった際にはうまくいかなかったが1人ではできた。
■内的家族システム療法(IFS)
自我状態療法に同じ、流派が異なる
■ニューロフィードバック
脳波を測定しながら、良い状態になるよう導く。主に発達障害の症状緩和に使用されている。
[感想]最高!!大好き!!全財産をお前に賭ける
私は身内からの性被害を受けていたが、大きな出来事(レイプ等)ではない。
その他いろいろな出来事があったが、PTSDの症状が弱く、出来事も弱いので、どちらかというと発達性トラウマ障害、または何かしらのパーソナリティ障害といったほうが正しいのではないだろうか。発達性トラウマ障害とは複雑性PTSDと重なるが、特に幼少期の親子関係がうまくいかなかった場合等にそう表現する。パーソナリティ障害とは物事の捉え方や行動が著しく健全性を欠いた場合に診断される。しかし、恐らく、パーソナリティ障害とはトラウマが元になっているものと思われる。
ちなみに、複雑性PTSDでは発達障害とよく似た症状が出ることがある。例に漏れず私もである。そもそも、大人になって再び通院しようと考えた発端は、身体疾患の他には自分が発達障害ではないかと疑っていたことである。私は検査と面談の結果、発達障害ではないという診断になった。しかしながら、言語性IQと動作性IQに著しく差があるので、苦労している。
進捗を書こうと思っていたが長くなったので別記事にした。
このnoteはあまり楽しいものではないが、興味のある方はお付き合いいただければ幸いだ。
追記:参考文献を載せていなかったので掲載する。
「カウンセリングの治療ポイント」は治療者向けの本で、当事者が読むのはカウンセリングの邪魔になるのでお勧めしない(私は長期のカウンセリングが一段落したタイミングで振り返りとして読んだ)。
未読だがこちらも読みたい。