私が中学生になった時、初めて銀行の口座を作った。そして、腕時計も親父から、プレゼントして貰った。それだけで、大人になった気がした。バスから見える風景も、違って見えた。今迄は、マンガしか読まなかったが、小説を買ってみたりもした。残ったお金を貯めて、貯金にまわした。それをずっと続けて来た。つまり、硬貨貯金である。500円は結構な重さになった。一番多いのは、やっぱり、10円だね。思い出の詰まったその貯金も今年が、最後です。いまは、キャッシュレスの時代になったのです。従姉のあの貯金箱に、憧れた少年時代の、一つの物語も終わりが、近づきました。
#硬貨貯金