金原ひとみ(3) 金原システムをメタ化した怪傑作=『fishy』
ひとに何か一冊金原ひとみを薦めるとしたら、躊躇なく『fishy』(2020年)を薦める
同作は賞をとったりしたわけではないみたいだが、金原ひとみ(1)で述べた金原システムを存分に展開し、その上でメタ的にぶっ壊してみせるという超高度に構築された作品だと思う
一作で著者の天才性を存分に感じ取ることができる
以下完全にネタバレ
まずこれまで記した通り、「金原システム」とは、
(1)3~4人以上の異なった人物が、章や節ごとに主人公として入れ替わり、1人称で短い話を紡いでいく
(2)