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てらたびnote 京都 太秦 広隆寺/聖徳太子と弥勒菩薩
仁和寺の次に太秦の広隆寺を訪ねました。
御室仁和寺駅から嵐山電車にのり、帷子ノ辻駅でのりかえ、太秦広隆寺駅で降ります。広隆寺の楼門が駅の前にあります。
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蜂岡山 広隆寺 は現在は真言宗系の単立寺院。ご本尊は聖徳太子。
推古天皇十一年(603)に建立された京都でも最も古い寺院といわれています。『日本書記』には秦河勝が聖徳太子から仏像を賜り蜂岡寺を建てたとあり、これが現在の広隆寺であるとしています。
このとき賜った仏像が現存する弥勒菩薩だと伝えられています。
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広隆寺といえば国宝第一号の弥勒菩薩があることで知られています。正確にいえば、弥勒菩薩の国宝指定と同じタイミングで国宝に指定されたものはたくさんある。国宝の台帳に記載された番号が彫刻第一号ということらしい。
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広隆寺の楼門を入ると正面に講堂がある。なかには阿弥陀如来、地蔵菩薩、虚空蔵菩薩が安置されている。立ち入ることはできないが、中をのぞきみることは可能。
さらに奥へ進むと大きなお堂が正面に見える。これが広隆寺の本堂にあたる上宮王院。聖徳太子像が安置されている。
しかし今回広隆寺を訪ねたのは聖徳太子よりもやはり国宝の弥勒菩薩に出会う目的が大きい。
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上宮王院の奥に新霊宝殿がある。こちらは入場料が必要になります。また管内の写真撮影も当然ながら禁止です。
「新」とつくだけあって、近代的なギャラリーの雰囲気がある。控えめな照明の中でずらりと並んだ仏像は圧巻です。
その中心にいらっしゃるのが、有名な弥勒菩薩半跏思惟像です。
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弥勒菩薩が右足を左足にのせて座り、右ひじを右あしについて指先をそっと頬にそえるような姿勢でいらっしゃる。ぼんくらどもを如何にして救おうか思案していらっしゃるそうです。ありがたいことです。
この弥勒菩薩像は、京大生があまりの美しさに触れてしまい指を破損してしまう事件が昭和三十五年(1960)に起きている。
実際には、期待外れだったのでいたずらをしてみたということらしい。
まったく由緒ある仏像にいたずらをするとは無礼な話である。
ただね、ここだけの話ですが、この弥勒菩薩像は写真映りが良すぎるな、とは思った。
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新霊宝殿には国宝の千手観音像、不空羂索観音像といった人の身長を軽く超える大柄な仏像もドーンと安置されている。十二神将や四天王などの多くのホトケさまに囲まれて充実した空間でした。
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さて今回の京都旅行(ちがった、帰省だった!)の「てらたびnote」は、これにておしまいです。次はどこへ行こうかしら。