紀行note 播磨国総社 射楯兵主神社(兵庫県姫路市)
その日、書写山から降りバスで姫路市街に戻る。駅までは行かずに大手前通りで下車し射楯兵主神社に参る。
播磨の国に来たので一之宮の伊和神社へお参りをしたかったが、少々姫路から距離があるので断念。代わりにと言ってはなんですが、姫路市街にある播磨国総社の射楯兵主神社を参拝する。
古人も国内あっちこっちにある神社を巡拝するのは時間的経済的に負担、もっといえば億劫だったかもしれない。
そこで国内の神様をひとつ処で合わせ祀り、日常的な参拝はココで勘弁してもらおうと編み出したのが総社だろう。
射楯兵主神社の御祭神は、射楯大神と兵主大神。
射楯神は五十猛命で、兵主神は大己貴命だと言われている。神の御名が違うということは元々別の神さまだった可能性がある。これは今後の研究課題です。
当社は延喜式神名帳にある「播磨国飾磨郡 射楯兵主神社 二座」とされている。
安徳天皇養和元年(1181)に播磨国十六郡の大小明神174座の神社を境内に祀り総社とも府中社とも称すようになる。
現在、播磨国の各神社は本殿の後方にある。本殿の真後ろに十二社合殿があり、向かって左側(西)に西播磨総神殿、右側(東)に東播磨総神殿がある。いずれも棟割長屋みたいな社殿。
十二社合殿は
・一之宮(兵主神の荒魂)
・二之宮(射楯神の荒魂)
・日岡社(天伊佐々比古命)
・角社(級長津彦命・級長戸邊命)
・手置帆負社(手置帆負神)
・彦狭知社(彦狭知神)
・秋葉社(軻遇突智神)
・羽黒社(倉稲魂命)
・道祖社(岐神)
・鞍屋社(保食神)
・柿本社(柿本人麿公)
・東照宮(徳川家康公)
が祀られている。
東播磨総神殿は
明石郡、美嚢郡、多可郡、賀茂東郡、賀茂西郡、賀古郡、印南郡、神東郡
西播磨総神殿は
神西郡、飾東郡、飾西郡、揖東郡、揖西郡、宍粟郡、佐用郡、赤穂郡
東西に8郡づつの神さまが祀られている。
境内には他にも神社がたくさんある。ひとつひとつお参りしていると結構大変かもしれない。
まだまだ続きます。
案内社八幡宮とは、猿田彦神を祀る案内社と誉田別命を祀る八幡宮を合わせ祀っている。
長壁神社の御祭神は刑部大神と富姫神。
この二柱の神は姫山つまり姫路城の守護神ともいわれている。
姫路の富姫といえば、泉鏡花の戯曲『天守物語』を思い出す。富姫は姫路城天守閣に住まわれている物の怪。いろいろな方が演じられていると思いますが、坂東玉三郎が絶品です。玉さんが監督をした本作の映画もあるので、近いうち見直しましょう。
これほど神社テーマパークみたいに神さまがいらっしゃったら、どなたに何をお願いしていいか迷ってしまいますね。
もっとも唐崎夜雨はたいていは特別なお願いをせずに、ご挨拶程度で巡らせてもらいました。