図解「フェチの世界」#4 - 人体の神秘、医療フェチ💉💊🩺 + 「フェチ界隈で交流するにあたっての心構え」
こんにちは、心臓フェチのHimmeliです。最近、私の周りで悩んでいる医療フェチの方がいらっしゃったため、図解フェチの世界#4として「医療フェチってどんな世界なの?」についてまとめてみたいと思います。
医療フェチは、これまで行ってきたフェチアンケートの中でも屈指の得票数であり、各人の好みや他のフェチとの繋がりも多岐に渡ります(画像:自分のフェチにシールを貼ってもらうアンケート)。
本記事では、そもそも医療フェチって何なのかというところから、どんな内容に分岐していくのか、医療フェチの方はどんなことで悩んでいるのか、といったところまで書いていきたいと思います。
【注意事項】
本記事で示す数字や割合などは、あくまで個人の経験やインタビューに基づいた推定です。皆さんのコメントなどを元に精度を上げていくことを前提に「フェチガイドの最初の一歩」として作成したものですので、気軽にご意見をいただければ幸いです。Twitterで話題にする場合は、 @himmeli_alt をご指定いただけると記事に反映しやすいです!
それでは早速、医療フェチとは何か、からお話していきたいと思います。
医療フェチとは何か
これから図を元に医療フェチの解説をしていきますが、医療フェチは本当に幅広い内容を含むフェチジャンルです。なので、厳密にこれだ、という定義はできません。ですが、いくつか例を挙げて説明するなら、
・「なんとなく病院の雰囲気が好き」
・「点滴を受けている人を見るのが好き」
・「手術をしてみたい/受けてみたい」
・「家に聴診器がある」
・「心電図が好き」
……こうした趣向をお持ちの方は医療フェチの気があるように思われます。手術に特化したフェチであれば手術フェチ、病弱な姿萌えに特化したなら病弱フェチ、内臓が好きなら内臓フェチなどと呼び名が変わることはあるでしょうが、ここではこれらも便宜上、医療フェチと関連があるものとして扱います。
医療フェチにご興味がある方は、私がインタビューさせていただいた下記のお二方のTwitterを確認いただくのも良いかもしれません。三井さんは手術を受けるのが好きなオペフェチ、朝川さんは白衣が大好きな医療フェチの方です。朝川総合病院という医療フェチサークル活動をされています。
医療の良さ
医療フェチにおける医療の良さを可視化したものがこちらです。これで全てカバーできているわけではありませんが、思いつく限りの「良さ」と「関連性の高いフェチ」を書き出してみました。※視覚障害をお持ちの方向けに、本記事の最後に画像の代替テキストを記載しております。
見たことがない、初めて知ったというフェチもいくつかあるのではないでしょうか? 出産フェチは男性にも女性にも一定の人気があり、特に出産フェチの女性の場合、フェチ欲求を満たすために出産してみたい、という方もいらっしゃるようです。お察しの通り、ご自身のフェチやアイデンティティで悩む方が多い分野でもあります。
図にまとめた内容全体については、やはり医療の場ということで、「生」と「死」にまつわる部分に良さがあり、そしてそれらに関連したフェチが多いという印象です。心臓フェチ、死体フェチについては同じように解説記事を書いてきましたが、「良さ」を感じる部分がよく似ているのも面白いポイントです(興味がある場合はそちらの記事もどうぞ)。
医療フェチおよび関連フェチの特徴は「一般の方が手を出しにくい分野」であることですね。手術をしたい、解剖されたいからといって、それを実際に体験できるかと言うと難しいところです。私も心臓を直接握りしめて心停止させたり、心臓マッサージや除細動器(AEDなど)で蘇生をしたりしてみたいのですが、それを実現するのはとても難しいことです。多くの方はこの悩みを抱えていることでしょう……。これらの悩みについても後述します。
個人的に気になっているのは、内臓フェチです。私は心臓フェチ+お腹の音フェチなので心臓や胃が好きで、また、知り合いには腸が好きな方や胆汁が好きな方がいらっしゃるのですが、肺や腎臓、その他の臓器が好きな方にはまだお会いしたことがありません。この内臓のこんなところが好きだよ!というのがありましたらお知らせいただけたら嬉しいです。
公開後追記:よく考えてみれば歯フェチなども医療フェチと関わりがあるのかも知れませんね。歯フェチと噛み/噛まれフェチについてもいつか記事にできたらと思っています。
手術フェチの内訳
医療フェチの中でも色んな種類の好みがあることはここまでで述べてきました。本記事では、その中でも最も「医療らしい」手術フェチの内訳、つまりどんな派があるかを図示してみたいと思います。おそらく、心肺蘇生(CPR)派、酸素マスク派などでも色んな細かい派に分化していくのですが、ここでは私の知り合いの方には手術フェチ(ここでは診察~施術までを対象とします)が多いので、ここを取り上げることにしました。他の部分については、要望があれば別途記事にいたします。
全体の傾向として、「診察や施術を受けたい」のは女性に多く、「診察や施術をしたい」のは男性に多いように感じられます。医療フェチの女性は医療行為そのものに魅力を覚えるためか上半身・下半身の診察どちらにも一定数の人気があります。一方、男性の医療フェチの方は「下半身の診察・施術が好き」という傾向にあるように感じられました。私が実際に悩みの相談を受けたのもここで、「私は女性で、上半身の診察・施術が好きなのですが、男性の医療フェチの方は下半身の診察が好きな方が多くて中々理想がマッチしません……」といった内容でした。
もしかしたら同じような悩みを抱えている方がいらっしゃるかも知れません、しかしそれほど悲観する必要はありません。まず、男性でも上半身の診察のみが専門の方もいらっしゃいます。また、前述のように、医療フェチは多岐に派生するため、他のフェチの方でその内容を専門にしているケースがあります。例えば心臓フェチの界隈では心臓が専門ですので、必然的に上半身の診察に興味を持つ方の割合が多くなっています。私が実際にそうですね。
さて、実際の手術の好みについて。これは実際に手術フェチの三井さんの記事を読んでいただいた方がよいでしょう。上記の画像の内容は、三井さんに許可をもらってまとめたものとなっています。
目覚めたきっかけ
個人的な印象ですが、医療フェチの方は他のフェチの方よりも、目覚めたきっかけを明確に認識しているケースが多いように感じられます。心臓フェチの場合は、約半数程度が理由なしで「物心ついたときから好き」のイメージです。また「聖なるズー」という、京都大学の研究者(濱野ちひろさん)が動物性愛について記した書籍の中では、「私が出会った動物性愛者のうち6割は、自分は生まれつきの動物性愛者であると語っていた」と述べられています。
この差はどういったところから生まれてくるのでしょうね。そもそも、同じ光景を見たとしても「私はこれが好きだ、このフェチなんだ」と目覚める人間と、そうでない人間がいるのは不思議なところです。私もこういった分野を研究してみたいものです。
なお、医療フェチにおいて、医療系の映画やドラマを見たり、実際に医療を受けて目覚めた方の中の意見に「その必死さに心打たれた」というものがありました。医療の現場は、例えば手術や出産なども含めて生命に関わる神聖なものであり、一種の感動に繋がりやすいものであるのは確かです。その感動からフェチに目覚めるケースが多いジャンルだとすると、目覚めたきっかけを明確に覚えている人が多いという理由も分かる気がしますね。
(私はこれで目覚めました、という意見があればぜひ教えて下さいね)
余談ですが、今度私は「聖なるズー」の輪読会イベントに参加させていただきます。この書籍に興味がある方は、そのイベントの記事も読んでいただけたら嬉しいです。多分6月~7月くらいに公開されると思います。
医療フェチの悩み
医療フェチにおける主な悩みは上記画像の通りです。これも見事に心臓フェチ、死体フェチと似通っています。大きく分けて、カミングアウト問題、実行したけど実行できない問題、趣味の違い問題ですね。
カミングアウト問題については、フェチのカミングアウトについて一つ記事を書きました。カミングアウトに悩んでいる方は、一度読んでみてください。
実行したいけど実行できない問題については、解決方法は2つしかありません。
1:妄想や創作活動で自分の理想のシチュエーションを再現し楽しむ
2:信頼できる人と「どこまでやるか」を話し合い、安全に配慮して楽しむ
1 については、小説を書いたり、イラストなどを書いたりして満たすことができます。手術映像など、他の人の提供してくれたコンテンツを楽しむのも良いですね。ただしこの際、そのコンテンツの扱いや評価方法を間違わないようにだけご注意ください。素晴らしい作品を他の人にシェアしたくなる気持ちは分かりますが、無断転載などを行ってしまい、クリエイターのやる気を削ぐことになってしまえば、もう二度とそのクリエイターの作品を楽しむことができなくなってしまいます。作品の供給が少ない場合は、そのクリエイターに直接、応援しているということを伝えてあげると良いかと思われます。
2 については、人と人との交流における基本なので、あまり私からは言うことはありません。信頼できると思った方と、適切な手順を経てから交流し、できるだけ安全にフェチ行為を楽しんでくださいね。
最後に趣味の違い問題。これは根深い問題です。そもそもフェチは性癖に通ずるものであり、往々にして性欲の問題が絡んできます。ただし、性欲に絡むから悪いということではありません。そんなこと言ったらほとんどの人類は悪ですからね。これに関しては、フェチ界隈で交流するにあたって事前にある程度の心構えをしておくことで幾分その影響を軽減できるものだと感じています。
フェチ界隈で交流するにあたっての心構え
医療フェチに限った話ではありませんが、重要なポイントなので別の項目として記載します。自分の専門とする、あるいは他のフェチの界隈の方と交流する場合は、相手または界隈全体の趣向の多様性を確認し、受け入れることをぜひ意識してみてください。フェチに生きる方の多くは、自分の趣向のために悩んだり、色々考えたりして、それでもそれが好きで他の人と交流しています。そして、自分のフェチ欲さえ満たせれば相手がどうなってもいいやという少し危ない方も少なからずいらっしゃいます。それがフェチ、すなわち性癖の界隈の常です。
そうしたフェチの界隈で、あなたが加害者や被害者にならないようにするためには、下記を意識すればいいのではないかな、と私は思います。
1. 同じフェチだからといって、相手も自分と同じ趣向であると思い込まないようにし、事前確認を丁寧に、しかし失礼のないように行う。
自分がそのフェチの対象に性的興奮を覚えるからといって、相手も同じように性的興奮を覚えるとは限りません。むしろ、性癖の多様性を考えると、全く同じ好みであることの方が少ないかも知れません。そこを理解しておくことで、他者との軋轢を減らすことができるでしょう。
2. 事前確認の結果、「あ、自分とは違う趣向の人だな」と思ったら、相手の性癖を否定しないように気をつけつつ、それを明示して距離をとる
下記のツイートのように、深堀りしていくと自分とはちょっと方向性が違ったな……と思うこともきっとあるでしょう。
そういった場合は、相手に「私はちょっと趣味が違いますね」ということが伝わるように、けれど相手の趣味を否定しないようにうまく伝えることができないか検討してみると良いと思われます。もしかしたら、相手の言っていることが全く理解できず、そんなことが好きなんて常識的に考えてありえない、と思われるかも知れません。しかし、常識なんてそんなもんです。
常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。
これはアインシュタインの言葉です。あまりに非常識なことを認める必要はありませんが、自分の常識とは違う世界がある、ということを認識しておくと、そのコミュニティを炎上させるような出来事を起こす可能性は低くなるでしょう。(例えば、心臓フェチ界隈では、心臓に針を刺すのを楽しむ方がいらっしゃいますが、その是非についてよく議論したり炎上したりすることがあります)
頂いたコメント
いつもありがとうございます😊
在宅緩和ケア、尊いお仕事ですね。
今はまだフェチに抵抗感がある方も多いとは思うのですが、医療フェチの方と現場の方のつながりが増えることで、物的・人的ボランティア支援等が増え、結果的に世間に良い結果をもたらせられるようになったら素敵だなと思います。医療フェチに限らず、各フェチ界隈が社会に還元していけるような仕組みを構築したいなと常々思っています。
最後に自己紹介
最後になりましたが自己紹介を。
心臓フェチのHimmeli(ヒンメリ)と申します。心臓が好きすぎて、フェチのために生きることにした人間です。どのくらい心臓が好きかは、下記の記事を見てもらえたらご理解いただけるかと思います。
私は、人種・性別・国籍に関係なく、誰もが理想のフェチコンテンツを購入/販売できる社会の実現を目指して、フェチのオンラインマーケットサービス「fetiquette」の開発を行っています。
もっと具体的に言うと、
・「心臓病の人が、自身の心音を心臓フェチに販売して治療費を得られる」
・「身体障がいを持つ方が、自身の写真集を欠損フェチに販売して義手の製作費用を稼げる」
といったように、フェチを通じてユーザーの個性に価値を付与して提供・社会的貢献ができるようなサービスを開発しています。ご興味がある方は、twitterアカウントをチェックしてみてくださいね。
フェチなどでお悩みの方は気軽にヒンメリまでご相談ください。
現在、私は各種フェチ界隈において、お互いのフェチの理解を深めやすいようなフェチ可視化支援サービスを別途開発中ですので、そうしたサービスが皆さんのお役に立てれば幸いです。
さて、今回の記事はここまでです。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
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私はすべての記事を無料で公開しています。活動を応援してくださる方は、サポート機能やサークル参加などをご検討いただけたら幸いです。サークル参加者専用のSlackコミュニティなどの特典があります(まだほとんど人がいませんが……)。いただいた応援は、イベント開催やフェチコンテンツ制作に使用させていただきます。
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視覚障害をお持ちの方のための画像代替テキスト
1. 医療の良さ
・生と死→命の誕生の尊さ→出産フェチ寄り
・生と死→命が失われて人間から肉塊になるという儚さ→死性愛寄り
・肉体面→不健康そうな細い身体→病弱フェチ寄り、ガリガリフェチ寄り、血管フェチ寄り
・肉体面→闘病中の生を求める様子→点滴フェチ寄り、咳フェチ寄り、採血フェチ寄り、喀血フェチ寄り
・肉体面→手術等で体内を覗いたり、血液が失われて徐々に生命を失う様子→手術フェチ寄り(オペフェチ)、蘇生フェチ寄り、内臓フェチ寄り、心臓フェチ寄り、粘膜フェチ寄り、死体フェチ寄り、リョナ寄り、丸呑みフェチ寄り(Vore)
・肉体面→麻酔、昏睡、脳死などで意識がなかったり、生命の境目の様子→意識喪失性愛寄り、酸素マスクフェチ寄り
・肉体面→痛み、切除、異物の埋め込みなどの実体験→SM寄り、欠損フェチ寄り、人体改造フェチ寄り
・精神面→本人が死を予感した際に感じているだろう絶望感
・精神面→家族や周囲の方が感じる悲壮感
・雰囲気と物品→白く、神聖で清潔な空間であるという認識
・雰囲気と物品→人体に作用する機材や薬物への憧れ
2. 手術フェチの内訳
手術(オペ)派の種別
★男女比
・男性70%
特に上半身の診察・施術をしたい(35%)
特に下半身の診察・施術をしたい(50%)
特に上半身の診察・施術を受けたい(5%)
特に下半身の診察・施術を受けたい(10%)
・女性30%
特に上半身の診察・施術をしたい(20%)
特に下半身の診察・施術をしたい(10%)
特に上半身の診察・施術を受けたい(40%)
特に下半身の診察・施術を受けたい(30%)
★オペ着派
・スクラブ派
・ガウン派
・ゴム手袋派→ラバーフェチ寄り、色艶にこだわり有
・マスク派→マスクフェチ寄り、紐の結び方、着用方法にこだわり有
※色や素材も大事。ガウンは綿製が人気
★リアリティ派
・適切な着用方法(ガウンテクニック)などを重視
・患者の血液、体液で衣類が汚れていく様も大事→解剖フェチ寄り
★時代感派
・医療黎明期のオペ室の雰囲気(医療ドラマ:The Knickなど)
・昭和時代のオペ室の雰囲気(タイル貼りの床、威圧感のある無影灯)
・現代のオペ室の雰囲気(明るく、清潔で機能的)
3. 目覚めたきっかけ
・理由なし(物心ついたときから、など):20%
・医療系の映画やドラマを見て:20%
・サディズム、マゾヒズムからの派生:20%
・実際に手術などを受けて:15%
・お医者さんごっこから:15%
・内臓系に興味があって医療に派生:10%
4. 医療フェチの悩み
★医療フェチだということがカミングアウトできない
・変な人だと思われそう
・病気で苦しんでいる方に申し訳ないという気まずさ
★理想のシチュエーションを実現できない
・生命に危険が及ぶ
・犯罪に結びつくことがある
・仲間がいない
★派閥対立
・下半身を診察したい派/下半身は苦手派
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