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#033 枻出版社のノート SOLA

 バンクペーパーが使われているノートはあまりない。バンクペーパーとは、「100年以上の歴史を誇る三菱製紙が銀行の帳簿向けに開発したという伝統的な用紙」のこと。「快適に書き、しっかり保存することを前提に設計され、厳選されたパルプ材にコットンを加え、丁寧に作られていて、なめらかな表面と独特の風合い、インクの色が映える適度な白さが特徴」だとのこと。

 このバンクペーパーが大好きな私は、システム手帳のオリジナルリフィルをバンクペーパーで作ったことがある。そして、ノートもいずれバンクペーパーで作ってみたいと思っていた。しかし、費用と保管場所の問題で躊躇していた。
 ところが、枻出版社がやってくれた。本体にバンクペーパーを使用し、表紙の品質・デザイン等、素晴らしいノートとして世の中に出された。SOLAという名前がつけられた。ノートSOLAには横罫、方眼、無地の3種類ある。ノートの厚さもいい。188ページ。どれもこれも素晴らしく、私にとって夢のような出来事であった。『趣味の文具箱』編集長の清水さんと副編集長の井浦さんが関わっているのだろう。二人の思いを感じる。
 
 枻出版社はもう存在しない。だから、ノートSOLAが新たに作られることはない。やがて世の中から消えてゆくノートである。少々切ない思いを持ちながら使っている。

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