#103 万年筆交流会 2024
萬年筆くらぶのバザー品を見ている人がいる。革製ペンケース、便箋、万年筆、インク、書籍、・・・がテーブルいっぱいに並べてある。
萬年筆くらぶのオークション品をチェックしている人がいる。いつもの「百年の孤独」があるぞ。大橋堂の万年筆が出ている。手作りバッグなどもある。入札額を検討しながら見て回っている。
アンティーク万年筆を購入している人がいる。既に何本かを握り締めている。ただ見ているだけの人もいる。
万年筆の修理方法について情報交換をしている人たちがいる。熱い集団だ。相当のレベルに達しているとの評判だ。
コレクションを販売している人がいる。売る側になることもできるという点が、アマチュアの集いのよいところだ。
ペン先調整を依頼している人がいる。調整師は時間を掛けてじっくりと調整している。
お互いの愛用品やコレクションを見せ合っている人たちもいる。
新しいペン先を研究していて、その解説をしている人がいる。若い人だ。その行動力に聴衆は引き込まれている。
古くからの付き合いの人は、病気のことなどを話しながら会話を楽しんでいる。昔の話から今後の話まで。お互いへの思いやりが伝わってくる。
ペンシルに強い関心を持つ中学生が、ペンシルコレクターと熱心に情報交換をしている。ペンシルコレクターは自分の若かった頃を思い浮かべながら対応している。なんて微笑ましい光景だろう。
誰と話すこともなく、会場の空気を楽しんでいる人もいる。そのような楽しみ方もいいものだ。
ペン画に興味を持っている人が、でべそのスケッチブックを見ている。「私もやってみようかな・・・」と声を掛けられた。「このスケッチブックは販売しないんですか?」「売ってもいいですが、お高いですよ」
年齢も職業も様々。万年筆に対する姿勢も価値観も様々。そのような人たちが、会場の中で微笑みながら語り合っている。会場には、豊かな人生を送りたいという重低音が流れていたように思う。
書くことで考える。書くことで自分の思考や人生を見つめる。万年筆でゆったりと文字を書く時間を大切にしたい。
そうだね。書くという行為は思いの外、大きいものだ。
でも、こんな声も聞こえてくる。そんな理由なんて、どうでもいい。ただただ万年筆が好きなだけ。だって、万年筆ってきれいじゃん。万年筆って面白いジャン。
私は万年筆愛用家のつぶやきを聞いているだけで幸せを感じる。もうしばらくは萬年筆くらぶの会長を続けていこうと思わされた一日だった。