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#107 カルディのコーヒー
コーヒー豆をカルディで買っている。
私はコーヒーを午前10時頃と午後3時頃に飲む。以前は食後にも飲んでいたが、健康診断で毎回のように貧血を指摘されるものだから、最近は食後のコーヒーは止めた。コーヒーに含まれるある成分が鉄分を吸収するらしいのだ。駅の階段を上る程度で息切れや目眩が発生する我が身は、好きな飲み物をセーブするしかない。
しかし、セーブはするがコーヒーは私の生活の中ではなくてはならないものの一つになっている。お湯を沸かす。フィルターをセットする。挽いた豆をフィルターに入れる。お湯を注ぐ。一連の動作を無言で進める。コーヒーの香りが漂ってくる。時には豆を挽くこともある。豆を挽くと家中がコーヒーの香りに包まれる。その空気は甘く柔らかい。
カルディは、ありがたいことに年に何回か感謝祭を設定し、コーヒー豆を通常の半額で販売してくれる。ブラジル、モカ、グアテマラ、マンデリン、キリマンジェロに加え、カルディオリジナルのリッチブレンド、イタリアンローストとまとめ買いをする。私の家から歩いて行けるところにカルディが2店あり、隣の町とそのまた隣の町にもある。それぞれ感謝祭の月が異なるので、年中、どこかのカルディで感謝祭が開催されていることになる。
町をブラブラしていてカルディの感謝祭に遭遇すると、「ああ、今日はラッキーな日だ」と喜び、コーヒー豆をまとめ買いする。
私は大きな幸せよりも、このような小さな幸せを望む。小さな幸せが一日にひとつあれば、その日は幸せな一日だったと思う。小さな幸せは、日々の生活に安らぎを与えてくれている。
コーヒーの香りに包まれた空間と時間。その空間と時間のなかで、私は日々、仕事をしている。