#017 私のデビュー作品?
『鞄談義3』の打ち合わせをやっていた際、私の「CAFE・鈴木のマスターのバッグ」のイラスト画を、私自身が描いたらどうかと古山さんから言われた。古山さん、自身の作品制作のためイラスト画を描く時間がないのか、それとも、もうイラスト画に疲れてしまったのかは分からないが、私にとっては、とんでもない話であった。
絵は全くの素人。書籍の1ページに掲載するなどということは、有り得ない話だ。それを「それさあ、でべそが描いてみたら?」と古山さんは、あっさりと涼しい顔で言った。彼は私のことを、でべそと呼ぶ。
崖から突き落とされた。
崖から突き落とされたライオンの子どもは、崖を這い上がらなければならぬ。きっと、古山さんの愛情に満ちた提案に違いない。だけど、エライコッチャ。
何のイメージも手掛かりも技術もないままに、見えた通りに描き上げた。恐らく、読者は1ページだけ違う雰囲気の絵があり奇異に感じたことだろう。大変、申し訳ない。
この場で、この絵が掲載された経緯の説明と謝罪をして、少し気が晴れた。
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