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 『鞄談義2』は2015年8月31日に発行された。毎年1冊のペースで発行していこうということでスタートした鞄談義シリーズであるが、最初の『鞄談義』から4年も経ってしまった。
 執筆者は以下の通り。
  剣先太郎(自動車関連会社経営/写真家)
  杉山明信(茗渓学園教諭/成城大学講師)
  太田垣博嗣(システムコンサルタント)
  鈴木健嗣(資産防衛コンサルティング会社経営)
  神津正男(ジェットエンジン開発従事者)
  古山浩一(画家/絵本作家/随筆家)
  ボンジョルノ松本(鞄専門店ル・ボナー店主/鞄職人)
  中谷でべそ(神奈川県立高等学校教諭/萬年筆くらぶ運営)

 特集は鞄職人の小林哲夫さん。長野県の山奥の古民家で一人鞄を作っている。オーダーを受けたら鞄を作る。営業活動はしない。知る人ぞ知る鞄職人。鞄仙人と呼ぶ人もいる。
 小林さんの鞄はオリジナリティが極めて高い。羽田空港の書斎館で買い物をしていたら、店員さんから「それ小林さんの鞄でしょ」と声を掛けられたことがある。一見して小林鞄だと分かるのだ。ロゴがあるわけでもない。特別な模様があるわけでもない。コロンとした全体のフォルムが小林鞄を特徴付けている。
 剣先太郎さんが撮影した小林鞄の写真が素晴らしい。時を経た鞄。持ち主と人生をともにしてきた鞄。その写真を見ると、鞄は道具なのだということを改めて痛感する。

 太田垣博嗣さんの『「カバン」の言葉の起源を探る』は読み応えがある。こんな文章、誰が読むんだ? という声もあったが、私は十分楽しんだ。実際、他の出版関係者からも素晴らしいという声をもらっている。しかし、営利目的の書籍では、なかなか扱えない内容ではある。フェルマー出版社だからこそ可能になったと言える。

 ボンジョルノ松本さんが神戸の若き職人さんの話を書いている。職人同士の交流。とても温かい文章で、若き職人さんを応援したくなる。

 その他、まともな話からグジャグジャした話まで、まさに鞄談義。
 『鞄談義2』は現在もフェルマー出版社のホームページで販売している。
 是非、どうぞ。
  ◆フェルマー出版社 https://feruma-shuppansha.webnode.jp/


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