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#112 萬年筆くらぶ会報誌『fuente(フエンテ)』 93号

 萬年筆くらぶの会報誌 fuente 93号が完成した。fuenteは春・夏・冬に発行しており、冬の号の原稿締切は10月20日。その頃から作業を始めて約2か月後に完成させる。少しずつ形になってゆくfuenteを見ながら過ごすことは楽しいものだ。
 ところが、完成したfuenteを手にすると、ここに至るまでの取り組みが一切見えなくなり、fuenteが、当然のように今、この世に存在しているという顔をしていることに私は驚く。
 どの書籍もそうだが、執筆者の、一文字一文字を紡ぎ出す作業から始まっている。そして、原稿入力、校正、編集、印刷、製本という流れがあるわけだが、完成した1冊を手にすると、それらは見えなくなる。製作費用も見えなくなる。だからだろうか、次のfuenteを、またゼロから作り始めることにためらいを感じない。
 fuenteにゴールはないのだ。
 同じことを繰り返す原動力の一つはゴールを設定しないこと。
 小学生のとき、無邪気によく歌った。🎵線路は続く〜よぉ〜 どーこまでも〜🎶
 まさにこれだ。
 いつまでも続く。この安心感と信頼感。

 93回目の約束を果たすことができて、ほっとしている。
 fuenteの製作に協力してくださった方々や普段から支えてくださっている多くの方々への感謝の気持ちをもちながら、1冊1冊を封筒に詰めて発送した。
 2025年も3冊のfuenteを発行するつもりだ。