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2022年 【渋谷幕張中(一次)】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、◆採点方法の詳細◆以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

一 問三 6点満点
 文末は「から」 難易度:★★★★☆

【解答例】ふだんは無口な人がたまに話しても、まともなことを言わない経験を多くしてきた上、沈黙は責任逃れと同じだと言えるから。

【採点基準】
1(理由A)
無口な人がたまに話しても、まともなことを言わない経験を多くしてきた/平常ものをいわぬ人がたまたま口を開いても、馬鹿げたことを言うだけという経験をたくさん持っている …③点

2(理由B)
沈黙は責任逃れと同じ/ものを言わないのは社会的な責任を果たしていないのと同じ …③点

一 問五 8点満点
 文末は「こと」 難易度:★★★☆☆

【解答例】相手が目上だとして、話す態度には尊敬を込めても、話す内容については所信をまげたり卑屈になったりせず、自信をもって話す気持ちでいること。

【採点基準】
1(「王侯」が例えていること)
相手が目上だとして/話す相手が上司の場合/地位の上の人に対して …②点

2(「膝を屈する」の解釈)
話す態度には尊敬を込める/尊敬をもって話す/敬意をいだいて接する …③点

3(「心は屈しない」の解釈)
話す内容については所信をまげたり卑屈になったりしない …③点
※「話されることについてはあくまで平等の立場をとる」等、-線③直前の一文を丸写ししただけの答案は3の要素として、1点のみ与える。

一 問六 7点満点
 文末は「から」 難易度:★★★★☆

【解答例】日本にはものを言わぬことを良しとする風潮があるが、皆が平等に人生を楽しむというデモクラシーの目的を達するためには、各人の物言いが大事な役割を果たすから。

【採点基準】
1(本文前半をふまえた、現状の説明)
日本にはものを言わぬことを良しとする風潮がある/日本ではひとの発言を禁止することが多く見られる …②点

2(本文最後の「真によき社会を作」るとは)
皆が平等に人生を楽しむというデモクラシーの目的を達する/人生における人間らしい楽しみを皆が味わう …④点
※「皆が/平等に」という内容がない場合、2の要素から2点減点。

3(2のために大事なこと)
各人の物言い/誰でもものを言える環境/皆が話せる環境 …①点

二 問五 6点満点
 文末は「こと」 難易度:★★★★☆

【解答例】本来受け容れるべき母の死を受け容れられないので、どうにかして悲しみをまぎらわそうとすること。

【採点基準】
1(「感情生活の落伍者」の解釈)
母の死を受け容れられない …③点

2(1の「母の死」の補足)
本来受け容れるべきこと/誰もが経験すること/平凡な出来事 …①点

3(「手立て」についての説明)
どうにかして悲しみをまぎらわそうとする/孤独を埋めるための手段 …②点
※「母親のVFの製作を依頼する」という具体的な内容も3の要素として、2点満点与える。

二 問十 7点満点
 難易度:★★★★☆

【解答例】VFは母そっくりの偽物であり、母だと思って接する限り自分がだまされ続けることになるのだとしても、VFを通して母への思いを満たしたいということ。

【採点基準】
1(-部⑦「苦しみ」の解釈)
母だと思って接する限り自分がだまされ続けることになる/VFにだまされる苦しみにさいなまれる …②点

2(1の理由)
VFは母そっくりの偽物である/母のVFは母の幻影に過ぎない …②点

3(-部⑦「熱」の解釈)
母への思いを満たしたい/母を近くに感じたい …③点
※文末は「こと」の他、-部⑦「熱」に対応する「思い」「気持ち」等でもOK。

◆採点方法の詳細◆

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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