2021年 【洗足学園中(第三回)】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
一 問二 7点満点 文末は「から」
【解答例】相手が自分の言葉を探しながら話し始める時、初めて「今、ここ」で生身の相手と向きあうことでしか得られないコミュニケーションの中身にふれられるから。
【採点基準】
1(「さらに問いかける」ことによる相手の反応)
自分の言葉を探しながら話し始める/自分の言葉で語る …②点
2(1によって叶えられること)
A 「今、ここ」で生身の相手と向きあえる/現在の瞬間に目の前にいる学生とつながれる …③点
※「『今、ここ』で/現在の瞬間に」にあたる表現がない場合、2Aの要素から1点減点。
B Aすることでしか得られないコミュニケーションの中身にふれられる …②点
一 問四 7点満点 文末は「こと」
【解答例】「類型」として他者を理解するとともに、それぞれの場面で他者に対して適切にふるまうための「処方箋」としての中身も含む、多様な実践知を駆使すること。
【採点基準】
1(他者理解の仕方)
「類型」として他者を理解する/類型的に他者認識する/「類型的知」を使って他者を理解する …④点
※「『類型的知』を使う」のみの答案は、1の要素で2点のみ与える。
2(交信の仕方)
それぞれの場面で他者に対して適切にふるまうための「処方箋」としての知を駆使する/他者との関係の作り方、交信の仕方などの「処方箋」的な知を使う …③点
※「『処方箋』としての知を使う/『処方箋』的な知を使う」のみの答案は、2の要素で2点のみ与える。
一 問五 7点満点
【解答例】大きなくくり以外の細かな違いは無視して周囲の他者を理解する。
【採点基準】
1(「こうした」の内容)
A 大きくくくる/一つの視点からグループ分けする/ある切り口から分類する …③点
B 細かな違いは無視する/1A以外の特徴には目を向けない …④点
二 問三 9点満点 文末は「から」
【解答例】だんだん楽しくなってきた図書委員の仕事の中には、まだ途中段階のものもあり、それらを実現にもっていき、軌道にのせてから後輩に道を譲りたかったから。
【採点基準】
1(図書委員への思い)
楽しくなってきた/やりがいも出てきた/やる気になってきた …④点
2(途中段階の仕事への思い)
A 途中段階の仕事を実現にもっていきたかった/まだ途中の仕事を軌道にのせたかった …③点
B 2Aを終えてから後輩に道を譲りたかった/2Aを成しとげてから次の二年生に引き継ぎたかった …②点
二 問五 7点満点
【解答例】予想外の展開になり、ひどく混乱している。
【採点基準】
1(きっかけ)
予想外の展開になった/夢にも思っていなかったことが起きた …④点
※「風子が亜矢を推薦した」のみの答案は、1の要素として2点のみ与える。
2(様子)
混乱/あわてる/動揺/平静を失う …③点
二 問六 8点満点 文末は「から」
【解答例】図書委員にはなれたが、亜矢への申し訳なさが残った上、澄香から批判されているようにも感じているから。
【採点基準】
1(亜矢に対して)
申し訳ない …③点
2(澄香に対して)
批判されているように感じている/快く受け入れられていないのを感じる …③点
3(1・2の原因)
(自分が)図書委員になった …②点
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。
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