2014年 【駒場東邦中】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
問三 8点満点 文末は「から」
【解答例】まりもをいじめる石本博美たちの突然の来訪に驚いたから。
【採点基準】
1(気持ち)
驚いた/衝撃を受けた …②点
2(きっかけ)
石本博美たちの来訪 …③点
※「同じクラスのみんなが来た」等、石本博美についてふれられていない場合、1点のみ与える。
3(石本博美についての説明)
まりもをいじめている …③点
問七 10点満点
【解答例】技術のせいではなく、志渡たちの世話がなってないからメロディが動かなかったと博美が言うので怒っている。
【採点基準】
1(気持ち)
怒り/腹を立てる/いら立つ …③点
2(きっかけとして、メロディが動かなかった理由についての博美の言い分)
A 技術のせいではなく/技術のなさをたなに上げて …③点
B 志渡たちの世話がなってないからだと言う/牧場側のせいにする …④点
問八 10点満点 文末は「ねらい」
【解答例】子どもたちに乗馬の難しさを理解させた上で、まりもが馬を上手に乗りこなす姿を見せることにより、まりものすごさを分からせ、まりも自身にも自信を持たせるねらい。
【採点基準】
1(ねらい)
A 子どもたちにまりものすごさを分からせる …③点
B まりもに自信を持たせる/まりもに勇気を持たせる …③点
2(方法)
A 子どもたちに乗馬の難しさを理解させる/子どもたちに馬乗りがいかに難しいかを実感させる …②点
B まりもが馬を上手に乗りこなす姿を見せる …②点
問九 10点満点 文末は「気持ち」
【解答例】みんなに会うのは嫌だが、逃げたとは思われたくないので、勇気を出してみんなの前に出て行くために落ち着こうとしている。
【採点基準】
1(気持ち)
落ち着こう/心を落ち着かせている …③点
2(目的)
みんなの前に出ていくため/勇気をわかせよう …③点
※「みんなの前に出て行こうとしている」もOK。
3(理由)
みんなに会うのは嫌だが、逃げたとは思われたくない/クラスのみんなに会うのは不安だが、石本博美から逃げたと思われるのは癪だ …④点
※「みんなに会うのは嫌だが/クラスのみんなに会うのは不安だが」にあたる内容がない場合、2点減点。
問十二 15点満点
【解答例】石本博美にいじめられ、つらい思いを抱えていたが、志渡の啖呵を聞いたことでわだかまりが解けて晴れ晴れするとともに、志渡の愛情を感じられてうれしく思っている。
【採点基準】
1(きっかけ)
志渡の啖呵/志渡が石本博美を厳しく叱ってくれた …④点
2(気持ち)
A 晴れ晴れ/すがすがしい …④点
B 志渡の愛情を感じられてうれしい/自分に対する志渡のやさしさにふれ、心が温かくなっている …③点
※「志渡の愛情を感じられて/自分に対する志渡のやさしさにふれ」にあたる、志度の思いを感じられたという内容がない場合、2Bは1点のみ与える。
3(背景)
石本博美にいじめられ、つらい思いを抱えていた/博美に苦しめられていた …④点
※「石本博美にいじめられ/博美に」等、石本博美が原因であることに触れられていれば、2点与える。
※「つらい思いを抱えていた/苦しめられていた」等、今までの気持ちに触れられていれば、2点与える。
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。
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