2022年 【早稲田中(第2回)】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、◆採点方法の詳細◆以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
一 問三 6点満点
難易度:★★★☆☆
【解答例】(イオ先生は意味のわからない指示をするにも関わらず、)音楽を良いものにすることだけを考え、指揮で思いを伝えて、メンバーを幸せにする(力がある人だということ。)
【採点基準】
1(イオ先生について)
A 指揮することで思いを伝える/指揮を通じてみんなを引っ張る/指揮でみんなをまとめる …②点
B メンバー(=全員)を幸せにする …②点
C(1A・1Bの手段)
音楽を良いものにすることだけを考える/音楽のことだけを考える/曲にとってどうするのが一番いいかを考える …②点
二 問二 5点満点×2
難易度:★★★☆☆
【解答例】(日本語の表記では、)漢字という表意文字と、かなという表音文字を併用している(という点と、日本語話者は、脳内で)漢字を図像対応部位、かなを音声対応部位で並列処理している(という点。)
【採点基準:前半分】
1(日本語の表記について)
漢字という表意文字と、かなという表音文字を併用している/表意文字である漢字と表音文字の交ぜ書きをいまだにとどめている/図像と音声を並行処理しながら言語活動を行っている …⑤点
※「漢字」については「表意文字/図像」がないと2点減点。「表意文字/図像」があれば「漢字」がなくてもOK。
※「かな」については「表音文字/音声」がないと2点減点。「表音文字/音声」があれば「かな」がなくてもOK。
※「併用/交ぜ書き/並行処理」等、【同時に】というニュアンスがないと、前半分は無得点。
【採点基準:後半分】
1(日本語の脳内処理について)
漢字を図像対応部位、かなを音声対応部位で並列処理している/二箇所に振り分けて漢字とかなを並行処理している/違う部位に分けてそれぞれで言語を処理している …⑤点
※「並列/並行」はなくてもOK。脳内の異なるところで漢字とかなを処理していることが読み取れれば5点満点与える。
◆採点方法の詳細◆
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。