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2016年 【駒場東邦中】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

問五 9点満点 文末は「こと」

【解答例】戦時中は日本語が分からないことで苦労したたが、戦争が終わると英語ができる人として重宝されたということ。

【採点基準】
1(戦時中のマミーについて)
A 苦労した/難儀した/意地悪された …②点
B(1Aの理由)
日本語が分からない …②点

2(戦後のマミーについて)
A 重宝された/扱いが良くなった …③点
B(2Aの理由)
英語ができる …②点

※マミーの立場に則した答案でない場合には、問五全体が無得点。

問六 10点満点

【解答例】久々の再会となる順ちゃんに憧れを抱いていたが、順ちゃんは私ではなく姉との再会を心待ちにしていたことがわかり、裏切られたような思いを抱くようになった。

【採点基準】
1(前半部分での思い)
憧れ/好意 …③点
※「うれしい/興奮」等、順ちゃんへの思いを説明する表現ではない場合、要素1は無得点。

2(後半部分での思い)
裏切られた/失望 …③点
※「悲しい/傷つく」等、順ちゃんへの思いを説明する表現ではない場合、要素2は無得点。

3(変化のきっかけ)
順ちゃんは姉との再会を心待ちにしていたことがわかった …④点
※「順ちゃんは私のことをしっかり覚えてくれていなかった」「順ちゃんが私と姉をまちがえた」等、姉に対する順ちゃんの思いが読み取れないものは、2点のみ与える。

問八 8点満点 文末は「から」

【解答例】順ちゃんは姉に用事があるのだと思ったら予想通りだったから。

【採点基準】
1 順ちゃんは姉に用事があるのだと思ったら予想通りだった/順ちゃんが私に声をかけてきたのは姉に会うためだと分かっていた …⑧点

問十一 9点満点

【解答例】順ちゃんと姉が親密になり、自分がのけ者あつかいされるようになったいら立ちをまぎらわそうとする思い。

【採点基準】
1(心情)
A いら立ち/怒り/不満 …②点
B 1Aをまぎらわしたい …②点

2(1Aの原因)
A 順ちゃんと姉の親密ぶり/姉と順ちゃんの仲が深まる …③点
B 自分がのけ者あつかいされる/私がみそっかすのようになった …②点

問十三 11点満点 文末は「こと」

【解答例】順ちゃんへの憧れが強かった上に、自分中心にしか考えられなかったので、順ちゃんと姉の親密ぶりに嫉妬していたが、姉の愛情を十分に感じられたことで姉の幸せも願えるようになり、順ちゃんへの思いも振り払えるようになったということ。

【採点基準】
1(「小学」だったころの私の説明)
A 順ちゃんに憧れていた/順ちゃんと姉の親密ぶりに嫉妬していた/姉と順ちゃんが仲良くしていることにいら立っていた …③点
B 自分中心にしか考えられなかった/姉の立場に立って物事を考えることができずにいた …①点

2(変化のきっかけ)
姉の愛情を感じられた/自分のことを姉が大切に思ってくれていることを実感できた …③点

3(「小学は卒業しました」の解釈)
A 姉の幸せも願えるようになった/姉のことも考えられるようになった …①点
B 順ちゃんへの思いを振り払えるようになった/順ちゃんへの憧れを捨てられた …③点

★採点方法の詳細★

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。


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