2019年 【駒場東邦中】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
問二 7点満点 文末は「から」
【解答例】七夕の飾りが外国人に喜ばれるのを幼いころから知っていたから。
【採点基準】
七夕の飾りが外国人に喜ばれるのを幼いころから知っていたため …⑦点
※「幼いころから」という内容がないと、2点減点。
問四 9点満点 文末は「から」
【解答例】百花たちの家族が戦争が始まりそうな国から来たことを思い出し、今回の来日は決して遊び目的ではないだろうと思い直したから。
【採点基準】
1 今回の来日は決して遊び目的ではないだろうと思い直した/日本に来たのには何か事情があるのかもしれないと察した …⑤点
2(1のきっかけ)
(百花たちの家族が)戦争が始まりそうな国から来たことを思い出した …④点
※「戦争が始まりそうな」は、危険な状況であることが説明できていればOK。
問五 8点満点 文末は「から」
【解答例】日本語が苦手そうだから英語で話して気遣ったのに、あっさりと踏みにじられたから。
【採点基準】
1(きっかけ)
気遣いをあっさりと踏みにじられた/思いやったのにそっけなく日本で返された …③点
※「あっさりと/そっけなく」にあたる表現がないと1点減点。
2(1の「気遣い/思いやり」の内容)
英語で話す/英語を使う …②点
3(12の背景)
日本語は苦手なのだと思った/日本語が話せないのだと思った …③点
※「相手が苦手な日本語ではなく」のような書き方もOK。
問八 10点満点
【解答例】百花が来てくれてうれしかったが、照れ隠しからあえて大したことではないようにふるまったところ、かえって百花を意識していることを感じさせられ、はずかしくなっている。
【採点基準】
A(気持ち)はずかしい …②点
2(きっかけ)
A大したことではないようにふるまった/特別なことではないかのように接した …②点
B(ⅰの結果)百花を意識していることを感じさせられた …④点
※2Bにふれられていないものは、2全体が無得点。
3(夏の本心)
百花が遊びに来てくれてうれしい/百花に会えたことを喜んでいる …②点
問十三 7点満点
【解答例】百花が無事でいられますように
【採点基準】
百花が無事でいられますように…⑦点
※「百花にまた会えますように」は無得点。
―線⑩直前の「喉元まで出かかった気持ち」とはどんな気持ちか考える。
問十四 12点満点
【解答例】夏のひいおじいちゃんが戦地から帰った時に、まず飲んだのがカルピスで平和の味がすると思ったことや、カルピスを飲む百花を見て百花の父が平和な日本にもどってきてよかったと思っていることから、カルピスは世界平和の象徴として描かれている。
【採点基準】
1(結論)カルピスは世界平和の象徴として描かれている …④点
2(本文中の具体的なエピソード)
A 夏のひいおじいちゃんが戦地から帰った時に、まず飲んだのがカルピスで平和の味がすると思った …④点
※「平和の味がすると思った」にふれられていないと、1点減点。
B 百花の父がカルピスを飲む百花を見て、平和な日本にもどってきてよかったと思っている …④点
※「平和な(日本)」という内容がないと、1点減点。
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。
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