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2020年 【駒場東邦中】国語記述問題 採点基準例

※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

問三 7点満点 文末は「こと」

【解答例】ほかの子の目には自分はどのように映っているのかということ。

【採点基準】
ほかの子の目には自分はどのように映っているのか/自分は他の人からどのように見られているのか/自分のことを周囲はどう思っているのか
※「ほかの子から見た、自分のこと」(本文の丸写し)は5点与える。
※「自分がどんなふうに人と違うか」(本文の丸写し)は――線の表現と対応しないので無得点。

問四 10点満点 文末は「思い」

【解答例】サンバが好きな母親のせいでシッカが苦しんでいることもあり、母親を迷惑に思っているので、ダンスのことも本当は嫌いではないと思いつつ、その思いに素直になれずにいる。

【採点基準】
1(ダンスに対するシッカの思い)
本当は嫌いではないと思いつつも素直になれない/本当は嫌いではないのにダンスはしたくないと思っている …⑤点
※「本当は嫌いではない」という内容がないと、2点減点。

2(1の理由としての「母親への思い」)
サンバが好きな母親を迷惑に思う/サンバを踊る母親への反発(=嫌悪感) …③点

3(2の理由)
(母親がサンバを踊るせいで/サンバが好きな母親のせいで)苦しんでいる/つらい思いをしている …②点
※「周囲とは自分の外見が違う」ことに言及していてもOK。

問六 8点満点 文末は「から」

【解答例】男が義足だったうえに、男の動きがシッカの知るどのダンスとも異なっていたから。

【採点基準】
1 男(=岬)が義足である …④点

2 自分が知っている踊りとは違う動きだった/男(=岬)の動きがシッカの知るどのダンスとも異なっていた …④点

問七 7点満点 文末は「様子」

【解答例】男の動きに心を奪われており、無意識に吸い寄せられている様子。

【採点基準】
1 男(=岬)に無意識に吸い寄せられている様子/男(=岬)に本能的に近づいていく様子 …③点
※「本能的に」「無意識に」という内容がないと、1点減点。

2(1の理由)
男(=岬)の動きに心を奪われている/男(=岬)のダンスへの興味があふれる …④点

※全体を通して、「男(=岬)」がないと2点減点。

問十二 13点満点

【解答例】これまでダンスは自分が周囲と違うことの原因であると考え、素直に好きとは思えずにいたが、義足で自由に踊る岬と接したり、周囲と違うことを肯定してもらえたりしたことで、ダンスが好きだという自分の本当の気持ちに気づいたから。

【採点基準】
1(変化後:シッカはどのようなことに気づいていたのか)
ダンスが好きだという自分の本当の気持ち …④点

2(きっかけ)
A 義足で自由に踊る岬に接した/義足でも素晴らしいダンスを踊る岬を見た …②点
B 周囲と違うことを肯定してもらえた …③点

3(変化前)
A ダンスを素直に好きとは思えなかった/ダンスを遠ざけていた …②点
B(Aの理由)ダンスは自分が周囲と違うことの原因である/周囲とは異なる自分の外見は母親がサンバをやっていたことが原因だ …②点

★採点方法の詳細★

すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。

【全ての問題で共通のルール】

●文末ミスは1点減点。

●誤字脱字はその都度1点減点。

※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。

●句点なしは1点減点。

1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。

2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。

3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。

次に、例を挙げながら説明していきます。

【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)



ここでは、解答例を次のようにします。

【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。

採点基準は、以下の通りとします。

【採点基準】

1(きっかけ)

A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点

B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点

2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点

3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点

※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。


大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。

では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!

【答案例1】

しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。

【答案例2】

大好きなチョコを食べられて最高だったこと。

【答案例3】

好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。

順番に見ていきましょう。

【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。

【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。

【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。

以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。

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