2015年 【駒場東邦中】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
問四 7点満点 文末は「行為」
【解答例】アスパラのお母さんの、アスパラを残していなくなる行為。
【採点基準】
1(誰の)アスパラのお母さん …②点
2(どういう行為)
アスパラを残していなくなる/アスパラを置いて家を出ていく …⑤点
※「アスパラを残して/アスパラを置いて」にあたる内容がないと、2点減点。
問六 6点満点 文末は「から」
【解答例】アスパラの気持ちがわかる分、思いやれるから。
【採点基準】
1 アスパラの気持ちがわかる/アスパラとは大の仲良しだ …⑥点
問七 8点満点
【解答例】妹の子とはいえ、そんなに簡単に引き取るわけにはいかない大人の事情を分かってほしいと願っている。
【採点基準】
1(気持ち)
分かってほしい/察してほしい …③点
2(1の内容)簡単には引き取れない/アスパラをうちの子にしてほしいと言うが大人には複雑な事情がある …⑤点
※「アスパラを引き取る余裕はない」という内容は無得点。
問八 9点満点
【解答例】ママはアスパラがやさしい子だからだと考えているが、「わたし」はアスパラが捨てられた自分と子猫を重ねて切なくなったからだと考えている。
【採点基準】
1(ママの考え)
アスパラがやさしい子だから …③点
2(「わたし」の考え)
アスパラが捨てられた自分と子猫を重ねたから …⑥点
※「捨てられた」という内容がない場合は、3点のみ与える。
問十 5点満点
【解答例】捨て猫
【採点基準】
1 捨て猫/捨てられた子猫 …⑤点
問十三 11点満点
【解答例】まだ今は幼くて、親の身勝手に振り回されながらも悲しいという感情がわからないアスパラだが、やがて成長し、悲しいという感情を理解して泣くようなことがあったら、その時は自分がアスパラにとっての心の支えになろうと誓っている。
【採点基準】
1(「アスパラが泣いてしまうようなこと」の意味)
アスパラが成長して悲しいという感情を理解する/アスパラが大きくなり悲しくて泣くようになる …⑤点
※ 「成長」「大きくなる」という内容がないと2点減点。
2(「守りたい」から読み取れる気持ち)
アスパラの心の支えになろう/アスパラをなぐさめよう …③点
3(アスパラの現状)
A 親の身勝手に振り回される …①点
B 悲しいという感情がわからない/にこにこする以外に感情表現の仕方を知らない …②点
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。