2014年 【武蔵中】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
問三 16点満点 文末は「こと」
【解答例】崖が向かい合わせになっているところで、片一方の崖の上から向こうの崖に向って「おーい」と一声呼びかけると、こだまになってこちらへ帰って来て崖にぶつかり、またこだまになって向こうの崖にかえっていくことがいつまでも続くので「おーい」が消えないということが、科学の雑誌に書いてあったのなら信じられると思ったということ。
【採点基準】
1(「それ」の指すこと)
科学の雑誌に書いてあった …④点
2(「ほんとうだろうと思っ」た内容)
A(場所の説明)
崖が向かい合わせになっている …③点
B(事象の説明)
「おーい」が消えない/呼びかけた声が消えない …③点
C(2Bの過程の説明)
片一方の崖の上から向こうの崖に向って「おーい」と一声呼びかけると、こだまになってこちらへ帰って来て崖にぶつかり、またこだまになって向こうの崖にかえっていくことがいつまでも続く/片側から呼びかけると、こだまになってもう片側と声がぶつかり合うことが続く …③点
3(「ほんとうだろうと思っ」たの言いかえ)
信じられると思った …③点
問四 16点満点 文末は「から」
【解答例】太郎左衛門が支那の琴だと言っていたものが、煙草をのむ人が持っていた火皿というものだったと知り、せっかく太郎左衛門を信じたのにまただまされたと分かったから。
【採点基準】
1(象牙の円い道具についてのお父さんの説明)
煙草をのむ人が持っていた火皿というもの/火皿という道具だ …⑤点
2(象牙の円い道具についての太郎左衛門の言い分として久助君が信じていたこと)
支那の琴だ/マンドリンみたいな音が聞える …⑤点
3(お父さんの話から久助君が分かったこと)
(太郎左衛門に)だまされた/太郎左衛門を安易に信じてしまった自分の浅はかさ …⑥点
問五 16点満点 文末は「から」
【解答例】日々の退屈さにうんざりしていたので何か出来事があればいいと思っていたのに加えて、みんなが献金したことは事実だし、新舞子の海岸にはよく飛行機が来ていたので、太郎左衛門の言葉とはいえまんざら嘘でもなさそうだと信じてしまったから。
【採点基準】
1(事情1)
A(背景)日々の退屈さにうんざりしていた/この世があまりに平凡なのにうんざりしていた …③点
B(1Aによる願望)何か出来事があればいいと思っていた/何か冒険みたいなことがしたいと思っていた …⑤点
2(事情2)
Aまんざら嘘でもなさそうだった/太郎左衛門の話を信じてしまった …④点
B(2Aの理由1)献金したことは事実 …②点
C(2Aの理由2)新舞子の海岸にはよく飛行機が来ていた …②点
問六 16点満点 文末は「こと」
【解答例】やっとの思いで遠く離れた新舞子の海岸に着いたものの、辺りも暗くなる中、疲れのために動けなくなってしまい、家に帰れなくなったということ。
【採点基準】
1(「とんだこと」のここでの意味)
家に帰れなくなった …⑦点
2(状況の説明)
A 遠いところまで来た …③点
B 辺りも暗くなってきた/日も暮れようとしている …③点
C もう動けない/疲れてしまった …③点
問七 16点満点 文末は「こと」
【解答例】ふだん嘘ばかり言っていて、何を考えているのかよく理解できない太郎左衛門も、死ぬか生きるかといった究極の場面では生きるための行動をとること。
【採点基準】
1(「みんな」の解釈として、太郎左衛門の説明)
Aふだん嘘ばかり言っている …③点
B何を考えているのかよく理解できない/訳の分からない …③点
※「太郎左衛門」という言葉がない場合、「具体的に」という設問の条件にそぐわないため、1の要素は無得点。
2(「根本のところ」の言いかえ)
死ぬか生きるかの場面/生死が関わるどたんば …⑤点
3(「よく分りあう」の言いかえ)
生きるための行動をとる/助かろうとする …⑤点
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。
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