2020年 【豊島岡女子中(一回)】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
一 問七 9点満点 文末は「聞き方」
【解答例】自分勝手に解釈せず、相手のあるがままを受け入れる聞き方。
【採点基準】
1 自分勝手に解釈しない/観念にしばられない …④点
「翻訳器付きの耳を持たない」等の比喩は1点のみ与える。
B 相手のあるがままを受け入れる/相手の気持ちをそのまま聞く …⑤点
二 問八 9点満点 文末は「気持ち」
【解答例】正也のひと言によって、作品に向き合うという本来すべきことができていなかったと気づかされ、自らの部長としての力量のなさを痛感し、情けなく思っている。
【採点基準】
1(きっかけ)
作品に向き合うという本来すべきことができていなかったと気づかされた/作品をより良くすることを考えなければならなかったと正也に指摘され …⑥点
※「作品に向き合う/作品をより良くする」という内容がないと、3点減点。
※「本来すべきこと/考えなければならなかった」という内容がないと、3点減点。
※「本来すべきことができていなかった」、「(本来)考えなければならなかった」のいずれの書き方でもOK。
2(気持ち)
部長として情けなく思う/部をまとめる者として恥ずかしく思う …③点
※「部長として/部をまとめる者として」など、立場の説明がないと1点減点。
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。
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