2019年 【武蔵中】国語記述問題 採点基準例
※採点の方法の詳細については、★採点方法の詳細★以降をご覧ください。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
問一① 8点満点
【解答例】特攻隊が乗る戦闘機/特攻隊の飛行機
問一② 8点満点 文末は「から」
【解答例】戦闘機に乗って特攻することは死ぬことを意味していたから。
【採点基準】
※「戦闘機は特攻するために作られたものだから/戦闘機に乗って伍長たちは特攻することになるから」等、「死」に言及していない答案は4点のみ与える。
問二 14点満点 文末は「から」
【解答例】息子の死をつらく思っており、戦争だから仕方がないとでも思わなければやりきれなかったから。
【採点基準】
1(自分に言いきかせる意味)
戦争だから仕方がないとでも思わなければ、やりきれない/しかたがないと言いきかせることで、息子の死を受け入れようとしている/戦争なんだから息子の死はやむを得ないのだと思うことで、悲しみをまぎらわせる …⑧点
※「仕方がない/やむを得ない」にあたる、何を自分に言いきかせているのかについての説明がないと、3点減点。
2(カミのあまの気持ち)
息子の死がつらい/イチみーの死を悲しんでいる …⑥点
問三 14点満点 文末は「こと」
【解答例】伍長が特攻機を不時着させてしまい、畑を荒らしてしまったこと。
【採点基準】
1(伍長についての説明)
A 特攻機を不時着させた …⑦点
B(1Aの結果)畑を荒らした/ウム畑を見る影もない姿にした …⑦点
問四 14点満点 文末は「から」
【解答例】女学生たちが特攻の成功を祈って作った人形は、伍長に死ねという気持ちをこめたものとも言えるから。
【採点基準】
1(「これ」の説明)
女学生たちが特攻の成功を祈って作った人形/人形は特攻の成功を祈って作ってくれたものだ …⑥点
2(「呪い」の意味)
伍長に死ねという気持ちをこめている/伍長の死を祈っている …⑧点
問五 15点満点 文末は「こと」
【解答例】特攻機が撃墜される前に沖へ飛んでいくのは島を守るためではなく、海上へ飛んだ方が翼の色と海の色が重なって敵機には見えにくくなるからだということ。
【採点基準】
1(特攻機が撃墜される前に沖へ飛んでいく理由)
敵機には見えにくくなるから/海上のほうが安全だから …⑧点
2(今までの「ぼく」の考えの否定)
島を守るためではない/島に被害を与えないようにするためではない …⑦点
問六 15点満点 文末は「から」
【解答例】国のために死ぬことを使命だと思い、死にそびれた自分を責めている伍長は自分たちを守ってくれる存在なのだと思っていた。しかし今、生きることを肯定できるようになった伍長を見て、伍長も自分たちと同じ側の人間なのだと思えるようになったから。
【採点基準】
1(「もう」のニュアンスとして、伍長=「神さま」の解釈)
A 自分たちを守ってくれる/島を守る …③点
B(1Aのために)死んでいく/死ぬことを使命だと思っている/死にそびれた自分を責めていた …③点
※1の要素のみの答案は、問六全体が無得点。
2(「伍長は……神さまじゃなかった」の解釈)
伍長も自分たちと同じ側の人間だ/伍長が人間らしさを取り戻した …③点
3(2の理由)
伍長が生きることを肯定できるようになった/生きていることを喜べるようになった伍長 …⑥点
★採点方法の詳細★
すべての採点基準の記事の先頭に次の【全ての問題で共通のルール】を載せています。
【全ての問題で共通のルール】
●文末ミスは1点減点。
●誤字脱字はその都度1点減点。
※ただし、同問題内で同じ漢字や送り仮名等のミスは1点のみ減点する。
●句点なしは1点減点。
1つ目の●は、文末ミスについてです。例えば、「気持ちを答えなさい。」と問われているのに記述の最終部分を「から。」や「こと。」にしてしまっている場合には、1点減点してください。
2つ目の●は、誤字脱字についてです。漢字の誤り、送りがなの誤り、かなづかいの誤りのほか、単純に一文字抜けてしまっている等のミスについて、その都度1点減点してください。ただし、※にあるように同じ漢字や送り仮名等のミスは1回のみの減点で構いません。
3つ目の●は、句点の不備についてです。記述の最終部分に句点がない場合には、1点減点してください。
次に、例を挙げながら説明していきます。
【問題例】「のび太くんが目に涙を浮かべてバンザイをしている」とありますが、なぜですか。説明しなさい。(10点満点)
ここでは、解答例を次のようにします。
【解答例】好意を寄せるしずかちゃんに、バレンタインのチョコをもらえたうえに、自分の優しさを認めてもらえてうれしかったから。
採点基準は、以下の通りとします。
【採点基準】
1(きっかけ)
A しずかちゃんにバレンタインのチョコをもらえた/しずかちゃんが自分を気に入ってくれていることが分かった …②点
B しずかちゃんに自分の優しさを認めてもらえた/自分の優しいところが好きだとしずかちゃんに言ってもらえた …②点
2(しずかちゃんについての説明) 好意を寄せている/好き …③点
3(気持ち) うれしい/喜ぶ/幸せ …③点
※全体を通して「しずかちゃん」がないと、1点減点。
大きな解答要素は1・2・3の3つで、そのうち1はA・Bから成るので、実際には1A・1B・2・3の4つを解答要素として採点していくこととします。
すべての要素に / で区切った複数の文言を載せていますが、言い回しが異なるだけで内容は同じであることを示しています。採点する際には他の言い回しでもOKなのだということの参考にしてください。
では、子どもの答案を想定して、採点の練習をしてみましょう!
【答案例1】
しずかちゃんからの好意が伝わってきてうれしかったから。
【答案例2】
大好きなチョコを食べられて最高だったこと。
【答案例3】
好きな人からバレンタインのチョコをもらえるなんて夢のようだったから。
順番に見ていきましょう。
【答案例1】は、「しずかちゃんからの好意が伝わってきた」の1A②点+「うれしかった」の3③点=5点です。
【答案例2】は、「チョコを食べられる」ことと「チョコをもらえた」ことは意味が違うので1A無得点+「最高だった」は気持ちではないので3も無得点=0点です。最後が「こと」になっていて文末ミスもありますが、0点から減点することはできないので0点のままです。
【答案例3】は、「好きな人からバレンタインのチョコをもらえる」の1A②点+2③点-「しずかちゃん」がないことによる1点減点=4点です。「夢のようだった」は気持ちとしてカウントできないので、3の得点は与えられません。
以上のような感じで採点してみてください!
子どもたちも一生懸命書いています。目くじらを立てる必要はありませんから、おおよその方向性が合っていれば加点してあげてくださいね。
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