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『歯について私も話したいことがある』①ひどい患者だった私が歯科受付として7年勤務しながら歯と共に人生を回復させたので、話してみたいことがある。
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以前、こんな漫画を描いた。
タイトルは『歯について私も話したいことがある(仮)』
歯科医院の受付として勤務していた時のものだ。
後にも先にも漫画なんて一切描いたことがないのに
どうして突然書き出したのかというと、
私より“ひどい”患者さんはめったにいないという、
歯科勤務7年にして確信したこの事実を
どうしても語りたくなってしまったからだ。
すごい勢いだった。
丸3日、ほぼ寝ずに夢中で描いた。
あれを情熱と呼ぶのだろう。
結果、仕上げたものは8ページ、
ラフは32ページに及ぶ力作だったが、
SNSもない当時はどこで発信すればいいかわからず、
働いていた医院に置くのは恥ずかしすぎるし、
そもそも素人の私が歯のことを語る資格はないなと思ってしまい、
原稿は誰にも見せずに封印した。
しかし今回、
#いい歯のために
この文言を見た瞬間、忘れていた情熱が噴き出した。
私はひどい患者だった。
かなりひどい患者だった。
歯の状態だけではなく、
患者としての人となりもひどかった。
一見まともに暮らしていたが、
口の中はボロボロだった。
手入れの仕方がわからず、
しょっちゅう虫歯になるくせに、
歯科検診に行くことはなく、
痛みが出たら予約もせずに見知らぬ歯科医院に駆け込んで、
そこにしばらく通って、
でも、痛みが取れたら通院をさぼって
治療途中で放置となり、
その歯が再び痛み出すと、
前の歯医者には気まずくて行けなくて、
新しいところに突然行って、
そしてまた途中で行かなくなる。
こういう繰り返しで、
失った歯も1本、2本ではないし、
いつもどこかが痛かった。
それが思い立って
歯科受付に転職して、
約7年間ほぼ毎日治療してもらいながら
歯の健康を取り戻し、
気づいたら人生まで回復させていた。
歯の治療によって私は人生も回復した。
断言できる。
ちなみに現在は海外在住となり10年経つが、
この生活も歯の治療あってのものと実感している。
昔の自分があれほど夢中で
自分よりひどい患者さんはあまりいないことを
書き留めておきたかった理由の一つには、
自分と同じように歯科に行きたくなくて
袋小路になっている人に向かって
私もこんなでしたが何とかなりましたし、
是非あなたも歯科医院にお越しください🙏(受付勤務だったので)
こういう気持ちがあったのだろう。
ただ、意外にも実際漫画を描いてみて気づいたのは、
歯の話は始めると止まらないということ、
歯の話はそれくらい面白いということだった。
治療のことや日々実践している工夫、
ひどい患者だったからこそ体験した歯科戦歴のみならず、
技工士さんの職人技や歯科器具の美しさに至るまで、
歯にまつわるありとあらゆることが話し出すと止まらないほど面白くて、
誰かと喋りたくてたまらない。
この欲求は歯科勤務を離れて随分経つ自分の中に今も変わらずある。
歯の治療によって人生を救われながら、
歯科の世界に魅力された素人の一人として
漫画を描き直しながら
ワイワイと歯の話に参加させていただこう。