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【キモノのチカラ】100年前の衣服を纏う

アンティークの着物が好きです。
そもそも、わたしはおしゃれとしての着物にはまったきっかけが30年ぐらい前?の「アンティーク着物ブーム」
銘仙という着物のかわいさにすっかり心を奪われました。今にはないような斬新なデザイン、そして、年月による微妙な風合いの色褪せ。すっかり、アンティーク着物の魅力に心奪われました。

銘仙は安価な絹で織られた布で、安価なゆえに遊んだ色柄も多い。当時の女学生たちの間でも流行ったそうで、わたしは「アンティーク着物のGU」と呼んでます。
お手頃な価格で、でも、かわいい。
今も昔も女学生たちはおしゃれで、そんな当時の女の子たちの支持を受けたいものがかわいくないはずがない。
そりゃ、人気にもなろうってもの。

こちらもアンティークの着物。

この着物は身丈145cm。
アンティーク着付け(わたしのオリジナル着付け)を使えば、身長160cmのわたしでも裾の長さもおはしょりも出して着られます♪

それにしても、すごいと思いません?
一般的に「アンティーク着物」と呼ばれるものは、戦前のものをさします。
新しいものでも50年以上前、古いものなら100年近く前のもの。それが今でも普通に着られている。なんて、物持ちがいいんでしょう(笑

手元にあるアンティーク着物の一つはよくみないとわからないほど丁寧な継ぎがしてあって、「この子は愛されてきたんだな」とわかります。
……今の時代、かけつぎってわかる人はいるのかしら? そもそも、かけつぎしようなんて人、いるのかしら??

ドレスだったら、こうはいかない。たとえ、布は着るに耐えるだけの強度があったとして、昔の人用に作られたドレスを仕立て直しなしに今の人が着るのは無理ではないかなー。

きものだったら。
たとえ、ふつうの着付けをするには小さかったとしても、洋服と合わせることで、サイズ的に小さな着物も着ることができます。

だから、アンティークの着物愛用者さんがごろごろ普通にいるんですよね。

アンティーク着物の場合、着られなくなるのは「飽きられた」からではなく、「布が着用に耐えられなくなった」からってことが多いですね。
弱くなった布ってすごいんですよ。ちょっと動くだけで「ベり」「メリ」って音がして、布が裂けていくのです。それも一か所ではなく、あちこちがめりめりと。
「糸くずのようになって舞った」なんて話も聞いたことがあります(笑

そもそも「100年後の人に絶賛されるデザイン」もすごいですよね。

応用性の高い形といい、100年間耐えられるデザインといい、これが「キモノのチカラ」だ!と思います。

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かほ@《身体と着物》をマニアックに研究している人
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