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雉も鳴かずば撃たれまい…いやエアライフル撃ちは黙っていても撃つ【令和6年度】【狩猟日記】

その色を認識した瞬間、私はすぐに車をバックさせた。やたらと姿勢のいいその鳥は、逆光のために全身が黒く見えたがこちらを振りむく動きに合わせ濡烏とも違った色を放っていた。


12月24日 グロリア 風そこそこある 寒い

日本海側は雪。そんな天気だとこちらは風が吹く。昨日は池が凍っていたので今日も凍っているだろう。それでもお決まりの狩猟ルートなので回ろう。カラスたちが多い。このところ群れが池のそばに陣取っていて騒がしい。カラスがいてもカモはつくらしい。そしてカラスはすぐに騒ぎ出すのでカモ達もカラスが騒いだぐらいでは飛ばないらしい。

カラスが騒いで困るのはカラスが狙えないこととキジバト散らされるくらいか。

そんななか金色の稲刈り後の田んぼに黒光りする鳥。黒く照り返しているその体の首が一部紫色にきらりと光った。カラスの濡れ羽色でもあんなふうに光らない。

車と止め後ろを確認、バック!

黒光りする鳥が草に隠れるギリギリで車をとめ、双眼鏡で確認。まごうことなき雄キジでした。いることは知っているが実際に見える位置で会えることはまれなキジ。狙えるなら狙いましょう。

車をさらにバックさせて見えない場所まで移動。銃を取り出し再度車にのってキジまで近づく。草はあるが今回は車でいい位置まで近づいてしまおう。再び車を前に進めるとキジの位置はほぼ変わっていない。

田んぼのわきに車をとめ、車の扉にかくれながら田んぼに入る。距離は70メートル。まだ隠れないでいてくれる。

銃を構え一発。キジはびくっとしただけ。着弾点不明。手前に落ちていないのでキジを飛び越してしまったのだろう。キジはうろうろ、2発目、こちらも着弾点不明。合わせられない。ぐっと銃口を下げて3発目、今度は30センチ手前に着弾。砂埃が立ったのにびっくりしキジは飛び上がってボサの中に消えていった。

残念。全然合わせられなかった。かすりもしなかったのでまた会えるかもしれない。でもなあ、ほんとこの辺でキジ見つけるの大変なんだけどなあ。ああ、クリスマスチキン・・・。

池は凍っている。さくっと帰りたいと思いながら出てきたが、キジ逃がしてさっさと帰るなんてできず回る。

カイツブリをみて、カワウをみて、ホシハジロとコガモかあ・・・今日は風が林にさえぎられて池に吹き込んでいない。ならば狙ってみるか100メートル越えの狙撃。

最大倍率にしても獲物が小さく見える。1発、数メートル手前に落ちた。ホシハジロゆっくり木の陰へ移動。やっぱり経験が少ないからこのくらいっていうのがないな。狙い方とか有効射程距離だとか、弾の種類だとか詳しい人に相談したくなってきたな。

池を目指して砂利道を走らせていたら突然鳥が飛び出してきた。あわわ、なんだと思ったら見慣れないハトぐらいの鳥。コジュケイだ!コジュケイたちがそばにいたらしい。びっくりさせてしまった。

コジュケイも狩猟鳥だけど正直コジュケイの狩り方わからん。飛び出してきたのは3羽。2羽は車を飛び越えたが、1羽は車から逃げるように元の林に戻ってしまった。道をはさんで群れが分断された場合、合流しようと1羽ずつ道を渡ろうとするのを何回か見たことがある。もしかしたらこのままじっとみていたら出てくるかもと思いつつ、今日はそんなに時間ないのでスルーすることとした。

でも一応、近くにいるか確認とボサに近づくとガサガサと遠ざかる音がしたので、やっぱり近くでじっとしていたようだ。

今期、初めてカモを見る池。カルガモが2羽いる。

今日の狙撃チャンスはまだあるようだ。ここの池の狙撃地点は主に3か所。さてどう攻めるか。カルガモが休んでいる場所のすぐ近くは車が寄せられる場所がある。ただカルガモとの距離が10メートルほどになるほど近くへ寄せられる場所だ。コガモぐらいなら近づき優先でやってもいいが、カルガモの警戒心では飛んでしまいそう。もう一か所はカルガモからよく見える位置になるので使えない。最後の1か所だな。

車をぐるりと回す。池の外周に道がないので反対側に行こうとすると少し車を走らせなければいけない。その代わり車を隠しておいておける場所があるんだな。

車を池から見えない場所へ止め、姿勢を低くして池へ近づいていく。何とか池の中が見える位置へ。カルガモは・・・と元居た場所でなくこちらの狙撃地点に近いほうへ移動していた。こっちの車の動き怪しかったかな。ボサの隙間的にもうちょっと右へ移動してくれないかなとちょっとごそごそする。カルガモ怪しんで移動開始。離れていってしまう。距離は80として、風が強めだが、池の中は風が巻いてしまいどうしようもない。無視する。

カルガモの背中を狙い一発、カルガモ飛び立つ、飛び立った先に着弾した波紋が見えた。多分、ほんの少し左にそれた。もうすこし右であればあたっていた。よし、風のせいにしよう。たぶん弾が風で流されたのさ。

ということで、撃つ機会には恵まれたし、キジやコジュケイと普段会えない鳥たちにも会えたので楽しくはあったのだが、獲物なしという結果に終わった。


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