【アニメーター】動画マン

いよいよプロのアニメーターとしてスタートです。

普通は専門学校の時に教わると思うけど、この時にタップ割りを初めて知りました。

やはり専門学校の二年間よりも現場の三ヶ月のほうが得るものは大きいです。

最初は海外とか下請けの作品ばっかりやっていて名前が全然出なかった。

これってかなりモチベーション左右されますね。

苦手な動画の綺麗な線もなかなかうまく引けず、

「汚いねえ。」

「生活のこともあって大変だと思うけど慌てないでやって」

と師匠に言われてました。

自分は原画向きだったので動画はつまらなくて仕方なかった。笑

でも

「ふぇにょんくんは原画向きだろうから今はツライだろうけど頑張って」

と師匠はわかってくれていたのが唯一の救いでした。今でも泣ける。

修行だと思ってなんとか耐えた時代。後々フリーになってコレが活きるので経験は無駄ではなかったのだけど。

単価は一枚150円(下請け)~250円(社内動画OVA)

ひどい下請けの会社だと1枚100円とかもあるとか。そう思うと少しいいけど。でも...奴隷には変わりなし。

自分は修行だと割りきってたけど生活のためにやっていくのはほぼほぼ無理。

ちなみに線が多かろうが少なかろうが値段にそこまで違いがないという衝撃の事実。(例)アンパンマンとガンダム


ちなみに最初の月の給料は3万くらい。

これに最低保障で1万円。

奴隷ですな。


それでもしばらくは平穏に動画マンをやっていたのですが

あるときに会社の体制が変わって他の会社から動画検査がくることに。

今まで三人の動画検査で新人を見ていたのだが経費削減のためか

その人がすべてを見ることになり

自分の師匠は動画検査を廃業。会社も去ってしまう。

地獄の始まり

その新しい人が自分と合わない性格でかなりいじめられてもういじめられるいじめられる。

一つのカットが終わってチェックしてもらうたびにドキドキ。

この時のストレスは半端なかった。白髪なども目に見えて多くなった。まだ20歳だぜ。。

だいたいは動画検査が動画スタッフの権限を握っているので

自分みたいに動画検査の人とうまくいかないと散々な目にあいます。


★悪い動画検査の特徴★

動画マンは自分のOKをもらわないと次の仕事ができないのに本人は自由
朝方の人間がいるのに夕方に来る
しょっちゅう席を離れる
無断でスタジオからいなくなる。長時間戻ってこない。
権力を武器に女動画マンと密会♥(二人で出て行って2時間位いない)
容赦なくリテイクを出して最初からやり直しをさせる(こちら0円)
そのような事態が起きないように配慮しない
見本を見せずに口頭だけでわかりにくく説明
スタジオの空気を悪い方に変える
差別、ひいきをする
固定給をもらってるからか、自分はあまり仕事をしない

すべて実話です。

絵が上手ければ人間性はゴミでも関係ない業界なのでパワハラもやりたい放題だとか。

こんな人には気をつけましょうネ。(気をつけようもないが...)


そして原画マンに昇格するには

「月/300枚以上を3ヶ月続ける」

という規則まで誕生。それまでは「もう原画やってもいいかな」とおもったらできてたらしいがテストはあったほうがいいですね。

動画経験無しで原画マンをやると動画マンの気持ちがわからないのでいろいろな方面に迷惑をかける事になるのだ。最低でも2年は推奨。


自分は手が速いほうなのだが最近の作品は線が多いので大変だった!(深夜アニメ、ときメモ系など)

何度殺意が湧いたことか...!


でもなんとか300枚以上/三ヶ月を達成する。

300枚描いても6まんえん...。

すると土日に原画のテスト。(土日は一応は会社が休み、営業以外は休んでいないけど)


作画監督として名のしれたうまい方がチェックしてくれる。

結果はもちろん全然ダメ。実力不足を痛感。

ただその後面談があって話の流れで

「どんなアニメが好きなん?」

と聞かれたので正直に

「アニメあまりみないです...」

と言ってしまったところ、

「〇〇さんみたいなうまい人だって日々研究してるのに君らみたい(下手糞が)なんなん?」

とボロクソに叩かれました。正直ですみません。

ただ言いたいことはわかるけど言い方ってあるでしょうに...。


とにかく体制が変わってから指導する人間に問題ありになってしまった。

うまいアニメーターが人に教えるのもうまいかというと、決してそうではない。

その人は人間性も問題有りで、挨拶しても無視されるか、睨みつけられる始末。

でも打ち上げとかで勇気を出して話しかけると気さくに話してくれたりよくわからん性格でめちゃめちゃ気疲れした。

とにかく人間として尊敬できない人の教えなんて素直に受けられなかった。

そんなこんなでまた動画をカリカリとやる毎日。


そうこうしているうちに自社で新しくアニメを始めることに。

ヤッ○ーマンである。

動画単価は一枚230円。これでも割といいほうなのが悲しい。

この時に初めてテレビに名前が載って、親も感動してくれた。

ついに報われた瞬間がきたのである。動画1年半くらいやっての出来事。

そうこうして社内作品が忙しくなってきて人出が足りなくなってきたのか、

嬉しい事に第二原画をやらせてもらいはじめた。

※第二原画とは他人の描いたラフの原画をレイアウト修正などに基づいてちゃんとした原画に仕上げる仕事

綺麗な線を描かなくていいのでこれがもう楽しくてしょうがなかった。


結局そのままずるずると原画テストは合格しないまま原画マンに。

なんかデジャヴ。。ほんとてきとーな業界だぜ。

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⇒原画マン

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