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希少材Limba Wood(Korina Wood)を用いて作成したLEAD2レプリカモデルのGibson Explorer化 #コスプレ
※本記事は「希少材Limba Wood(Korina Wood)を用いて作成したLEAD2レプリカモデル」に加筆・修正を加えたものです。
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希少材を用いて作られたProvision Guitar社製のLEAD2レプリカをGibson社のExplorerに近づけるべく、ペグとピックガード、ノブを交換しました。
Gibson Explorer
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下:HAL・LEONARD Co.刊 Gibson Electrics THE CLASSIC YEARS by A. R. DUCHOSSOIR p127,1994.
1958年に発表されたGibson社のExplorerは、同時に発表されたFlying Vと同様ボディー・ネック材としてLimba Wood(Korina Wood)が、指板材としてJacaranda(Brazilian Rosewood)が使用されています。発表当時の生産本数は少なく、基本的には1958~59年の販売で、残パーツで組み上げられたと思しきものが1960年代初期まで発売されていたと言われます。
その後1976年頃に再生産が始まりましたが、その際のボディー・ネック材は基本的にマホガニーだったようで、Limba Woodの再使用は1980年初め頃に発表されたHeritageシリーズ(Explorer、Flying V等)を待つことになります。他のギターメーカーはもとより、Gibson社の他のモデルにおいてもLimba Woodの採用例は乏しいようです。Gibson社製のギターへのJacarandaの使用は広く行われていましたが、ブラジルから製材されていない状態での輸出が禁止された1965年頃以降には基本的に使用できなくなったようです。
ピックガードは白黒白黒の4Plyの他、黒白黒白4Plyのものも存在したようです。
Limba Wood(Korina Wood)
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右:リットー・ミュージック刊 ELECTRIC GUITAR MECHANISM完全版 竹田豊・著 p40,1998.
Limba Woodはアフリカ西部が産地の木材で、Korina Woodとも呼ばれます。前述の通りGibson社のExplorerやFlying Vなどに用いられたことで知られます。音響特性はMahoganyと類似とのことですが、Mahogany材のギターに特有の何かを所有のギターから感じられたことはないのでよくわかりません。
Jacaranda(Brazilian Rosewood)
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下:Jacaranda
Jacaranda(Brazilian Rosewood)はその名の通りブラジルが産地の木材で、ワシントン条例によりブラジルからの輸出は1993年に禁止となっています。指板材がBrazilian RosewoodなギターとIndian Rosewoodのものとを比較して、色味が異なるのはわかるのですが、Indian Rosewoodにも色が濃いものと薄いものがあり、素人目には色々と不明です。
仕様
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基本的な仕様として、ネック及びボディー材にはLimba Wood(Korina Wood)を、指板材にはJacaranda(Brazilian Rosewood)を採用しています。重量は3.09kgと軽量です。
ヘッド・ペグ
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ヘッド形状はLEAD Series独特の形状をコピーしてもらいました。ナットは牛骨を使用。ペグには、Kluson社製6 In Line Deluxe Series Tuning Machines For Gibson Explorerを採用しました。つまみの形状はKey Stoneと呼ばれるもので、OVAL(Stratocaster等に用いられるつまみの形状)と比べてずいぶんと印象が異なります。
ボディー
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ボディー材は前述の通りLimba Wood(Korina Wood)です。ピックアップキャビティーの切削はオリジナルLEADシリーズとは異なりブリッジピックアップ部もシングルコイルピックアップ用の形状となっています。また、ネックピックアップ部もオリジナルと比較してタイトです。
それに対しコントロールキャビティーはオリジナルよりも全体に深めの切削となっています。
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ボディー裏面です。バックコンター部では導管の感じが見て取れます。ネックジョイントプレートはFマーク入りのゴールド、ストリングフェラルもゴールドです。ストラップピンはゴールドのギブソンタイプです。
ピックアップ(Lindy Fralin Steel Pole42)
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ピックアップはLindy Fralin社のSteel Pole42で、ポールピースはゴールドに交換してあります。「42」は用いられているコイルのゲージを表しており、他にSteel Pole43というモデルも存在します。
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Steel Pole42の裏面です。ボビン裏にポールピースを受けるヨークがあり、それを挟み込む形でバーマグネットが2つ装着されています。マグネットのサイズはP-90より小型で、Fender社のStratocaster用シングルコイルピックアップのサイズに収まっています。ヨークにはラグも取り付けられており、アースに落とすことが可能です。
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側面の画像です。コイルワイヤーの色は赤みが強く、マグネットの側面は赤く塗装されています。直流抵抗値は、ネック用が約6.00kΩでブリッジ用が約6.82kΩとなります。
コントロール等
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コントロール部ですが、ノブはトップハットタイプでPOTはボリューム・トーンともCTS社の250kΩ、キャパシターはOrange Drop社の0.047μf、トグルスイッチとアウトプットジャックはSwitchcraft社製です。
ピックガード
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ピックガードは塩化ビニール製で白黒白黒の4Plyです。
ブリッジ
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ブリッジにはYajima String WorksのYSW HARDTAILを採用。メーカー説明文によると「ソリッドスティールのサドルを使用し、シャープな ドライブ感とサスティーンを向上しています。ベースプレートはソリッドブラスを削り出して加工しており、アコースティックな音質の向上に大きく貢献しています。」とのことです。
まとめ
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使用木材やピックアップ・ブリッジ等が異なり、シェイプ以外の共通点は僅かですので、オリジナルとの比較に意味があるか否かは不明ですが、ピッキングへの反応性は良く、全部の弦がバランス良く鳴ってくれて音のレンジが広く感じます。スペックの相違に加え、ギターとしての作りが比較にならないほど良いことも大いに関係していると思われます。
ペグとピックガードを交換したことにより、外見的に幾分かExplorerに寄せられた気がしており、満足度は高まりました。
【了】