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Fender 2020 Player LEAD2のReggae Master化 #コスプレ

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Reggae MasterコスプレPlayer LEAD2


 2020 Player LEAD2の緩めなコスプレに関する記事です。細部のツメが甘いのはいつものことですが、なんとなくいい感じの見た目になった気はするので、後悔はありません。今回は国産コンポーネントギターの雄、Moon社のReggae Masterをモチーフにしたいと思います!


Moon Reggae Master

 Moon社のReggae Masterですが、現在Moon社のウェブサイトにはReggae Masterについて「1981年、RM(レゲエマスター)は熱いRhythmを、そしてBeatを追求するギタリストのために生まれました。」と記されています。手持ちのギター・マガジンのバックナンバーにて当時の広告を確認してみたところ、1984年1月号と3月号にMoon社の広告ページが有り、その中にReggae Masterも登場しています。


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リットー・ミュージック ギター・マガジン1984年1月号
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リットー・ミュージック ギター・マガジン1984年3月号

 上の画像の通り、バインディング付きのマホガニーボディーにP-90タイプのピックアップ(ムーン”DX”)をリアポジションに搭載しており、ピックガードは「ベッコウ」。画像上は1プライに見えますが、他の画像で確認する限りベッコウ柄-白-黒の3プライのものが多かったようです。
 コントロールはシンプルな1V1Tと思いきや、ボリュームがプッシュ-プルプルのスイッチ付きPOTで、フルパワーと30%パワーオフが切り替えられたようです。なお、前述のMoon社ウェブサイトには「ボリュームポットスイッチ:ボリュームポットPULLでボリュームを70%ダウン。バッキング・リードの切り替えでアクティヴなライブに応える。」とあり、パワーダウンの際のスイッチのプッシュプルが逆になっています。また、パワーダウンの割合が異なるようですが、新旧で仕様が変わったのでしょうか?
 ボディーカラーはホワイト、ブラック、チャーリーブラウンの3色が、また、指板はローズとメイプル1ピースが選べたようです。The Modsの森山達也氏が使用していた中でも、上の画像の仕様が最も印象深いところです。


The Mods 森山達也

 上の動画でもReggae Masterをかき鳴らす森山達也が確認できますが、プル・プッシュの切り替えについてはよくわかりません。


概要

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 コスプレの概要ですが、モチーフとなるReggae Masterをなぞるべく、ボディーカラーが黒のPlayer LEAD2を元に、ピックガードはべっ甲柄-黒-白の3プライでリアポジションにP-90タイプを1発搭載できるように新規作成しました。結果としてLEAD1にも似た潔い仕様となっています。ネック・ブリッジ等には全く手を入れておりません。


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 コントロール部ですが、ノブはFENDER社のPure Vintage '58 Telecaster Knurled Knobsを採用し、1ボリューム1トーンという構成です。POTはPlayer LEAD3のピックアップ交換の際に入手したアッセンブリーから流用したため、ボリュームが500kΩでトーンが250kΩですが、トレブルブリードサーキットは外しています。
 そして本家Reggae MasterではスイッチPOTで切り替えていた、フルパワーと30%パワーオフを切り替えるボリュームダウンスイッチについては、スイッチを個別に搭載(player LEAD2のフェイズセレクターの位置)しました。


Lindy Fralin Pickup

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 搭載するP-90タイプのピックアップですが、Lindy Fralin社のP90を選択しました。カバーの色はクリーム、ボビンの色は黒です。裏面のプレートには「LF」のマークが刻印されており、2本のボビン固定ネジはプラスネジで、その片方にはシールド線固定用のラグが挟まれています。直流抵抗値を計ってみると8.88kΩでした。


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 比較用のGibson社P-90の画像です。カヴァーを外した正面の画像では、ABS樹脂製とされる一体形成のボビン中央に、型の合わせ目らしき溝が見えます。
 裏面の画像では、金属製のピックアップベースから6本のポールピースが飛び出しているのが確認できます。また、2本のボビン固定ネジはマイナスネジで、やはり片方にはシールド線固定用のラグが挟まれています。
 側面の画像です。少し見難いのですがボビン下には2本のマグネットと、その下に木製と思われるスペーサーが挿入されているのがが確認できます。 直流抵抗値は約7.13~7.99kΩとLindy Fralin社のものより少し低いです。


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 Lindy Fralin社には、Stratocasterサイズのシングルコイルピックアップで構造がP-90に似たものが存在し、上の画像のSteel Pole 42 StratSteel Pole 43 Stratがそれです。それぞれの数字は用いられているコイルのゲージを表しています。


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 前述の通りP-90と同様の構造を持つSteel Poleですが、画像の通りアジャスタブルポールピース以外通常のシングルコイルピックアップそのものですのでLEAD Seriesにも簡単に搭載可能です。


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 裏面画像です。P-90と異なりベースプレートはなく、ボビン裏にポールピースを受けるヨークとマグネットが2つ装着されています。マグネットのサイズも当然ながらP-90より小型です。ヨークにはラグも取り付けられており、アースが落とされています。


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 側面画像です。向かって右の43のコイルの色は、実物ではやや赤みが強く感じられます。ゲージの違いに伴い絶縁体の色合いが異なるのではないかと推測しています。42の直流抵抗値はネック用が約6.00kΩでブリッジ用が約6.82kΩ、43はネック用が約8.23kΩでブリッジ用が9.81kΩです。


ボリュームダウンスイッチ

 ボリュームダウンスイッチについてはリットーミュージックのELECTRIC GUITAR MECHANISM①に掲載されていたものに基づき構成してみました。


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 上の画像の通り、220kΩの抵抗を介してピックアップからの信号をアースに落とすことで、適度にボリュームを絞った状態をスイッチの切替1発で再現するという回路です。アースに落とすための抵抗値を下げると音量というか出力も下がりますので、抵抗値の選定には一考を要します。また、220kΩの抵抗と0.001μFのコンデンサを並列にして組み込むことにより、高域が減少しすぎるのを避けています(所謂スムーステーパー回路と同様)。そして、フルボリュームとボリュームダウンの切り替えに伴い、トーン回路用のコンデンサの値も変化するようになっています。


終わりに

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 弾いてみた感想ですが、Lindy Fralin社のP90は太すぎず細すぎずで、Player LEAD2との相性は悪くないと感じました。Steal Poleとは似ているというか、Steal PoleがP-90を真似ているわけですが、それでもやはりSteal Poleの方がFenderのシングルコイルピックアップ寄りな感じではあります。
 そして、ミニハム1発のFirebirdコスプレLEAD1同様ピックアップの選択を考える必要がないのは嬉しい限りです。ボリュームダウンスイッチですが、フルボリュームから音量を落とすというより、30%ダウンの状態でエフェクターやアンプをセッティングしておき、ここぞというところでフルボリュームに切り替えるという使い方がいいかも知れません。


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 リアポジションにピックアップを一つだけ搭載、という仕様のソリッドエレクトリックギターは、Gibson社では1954年のLes Paul Junior、1959年のMelody Maker、1963年のSG JuniorとFirebird1、1972年のSG-1などが挙げられ、Fender社では1950年のEsquireに始まり1967年のBronco、そして1979年のLEAD1に繋がって来るわけです。こうして機種名を羅列してみると、Reggae MasterはEsquireとLes Paul Juniorを組み合わせた外観を持っており、先人への敬意を感じます(因みにMoon社にはAT Terryという、TelecasterとLes Paul Standardの合わせ技な機種もあります)。
 ただ、これらの機種には全体として所謂スチューデントモデル感、廉価版という印象が強く感じられることは否めません。
 しかし、この潔い仕様には代えがたい魅力があることも確かで、Player LEAD Seriesとして復刻されなかったLEAD1へのレクイエムではないですが、今後もこの仕様のコスプレを模索していきたいと思います!

【了】



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