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【Femtech-X】#6-2 株式会社TRULY:更年期のリアルとこれからの更年期サービス

「Femtech-X」はフェムテック産業の「今」を伝え、「未来」をつくるメディアとして、日本のフェムテックプレーヤーの創業の思いや事業概要を発信しています。

第6回では、男女の更年期ケアに取り組む株式会社TRULYのCEO 二宮 未摩子さんにお話を伺いました。

後編では具体的なサービスやユーザーからの反応も含めてご紹介します。

インタビューはYoutubeのFemtech Community Japan 公式チャンネルでもご覧ください!→https://youtu.be/DLVSVV5GnEY

前編はこちら→https://note.com/femtechjapan/n/ne64c8b7a7e14


事業の中で変化やプラスに感じられたこと

ーー女性の更年期について例えば男性の管理職の方にお話しすると、「部下に更年期という言葉を発した時点でセクハラと捉えられるんじゃないか」という恐怖心があると感じています。ただ男性の更年期という部分も含めることで、かなり変わってきている印象があります。男性もやり始めた中で事業の中でプラスになったことや感じていることはありますか。

更年期と聞くと「女性のこと」と思う方が多いです。「TRULY for Business」は福利厚生サービスとして企業様にご提案をする時も、女性だけだと思ってしまう方が一定数いらっしゃいます。

ですが、TRULYでは男女平等にサービスを作っているので、コンテンツや相談サービスのeラーニングも、男性の課題に関してもきちんと触れているので、「女性のことを男性にわかってほしい」というものではないです。

男性の悩みも女性が理解し、女性の悩みも男性が理解できるコンテンツを作っています。そのため、企業にとってはフェアに検討できますし、商談の場でも男性の管理職の方や担当者の方に大きな気づきになっているシーンがたくさんあります。

「もしかしたら自分も更年期なのかもしれない」と、その場で気づかれる方も多くいらっしゃるので、男性も一緒にやっていることは、とても大事だと改めて気づくシーンも多いです。

(左)FCJ理事 木村 (右)TRULY CEO 二宮氏

多く寄せられる相談内容

ーー検査を行った男性や女性から、LINEでどのような相談が多く寄せられますか。

「MENOPO CHECK」に限らず、「TRULY for Business」でもチャット相談では、「更年期なのかどうなのかがまずわからない」「これって更年期なんでしょうか」という質問が非常に多いです。「なんとなくそうかもなんだけど、でも更年期の症状がどういうものかもうちょっとはっきりわからない」と、不安を相談される方が本当に多いです。

女性に関しては月経、生理の乱れでご相談いただきますが、もしかすると、もう更年期の始まりのサインかも?という内容もあるので、生理やデリケートゾーンの悩みから更年期の悩みに繋がっていくこともあります。入り口は違ったとしても、結果的に更年期の悩みであることも多いです。

あとはメンタル、コミュニケーションの相談も非常に多く、パートナーへの相談、話し方などコミュニケーションについてご相談いただきます。

TRULY認定講師が、企業ごとの課題に 合わせて企画・開催
生理、妊娠出産や更年期だけでなくパートナーシップやメンタル不眠についても

サービス提供をした上で、ユーザーの意外な声

ーーこのサービスを始めて、仮説と異なり、ユーザーから意外な反応があったことはありますか。

2020年からメディアとオンライン相談をスタートしていますが、当初は相談が思ったよりされないことがありました。コロナ禍で、病院に物理的にもなかなか行けない環境の中で、こういうテーマはオンラインであれば相談しやすく、必要とされていると思っていました。

ユーザーインタビューでも「必要」「あったらいいな」「欲しい」と言ってくださった方が多く、やってみましたが、オンラインでも思ったより相談ハードルが高いことは意外でした。

その理由は、悩みを言語化しにくい点にあって、なんとなく漠然としたモヤモヤや不安をどう伝えたらいいのかというのを、テキストにすることがハードルになっていることも、インサイトとして見えてきました。「悩みを相談してほしい」というのは安易だと気がつきました。

情報と併せてメディアサイトの方では、体験談を多く出しています。実際にTRULYの会員様やインタビューを通じて、どういった悩みを持って、それをどうやって乗り越えたかという事例・ケースの体験談をたくさん集めて、それを個人が特定できない形で情報発信しています。

自分の悩みと重ねて「この悩みはおかしくないんだ」というのを確認できると、相談のハードルがグッと下がることも見えてきました。

情報が少ないというのは冒頭の話にもありましたが、情報が少ないというのは医学的な情報が少ないというよりは、生々しいリアルな体験やいろんな人の情報が少ないということだと思います。自分で抱え込んでしまって人に話さないので、当然情報としては世の中に出てきてないため、そこをどんどん可視化することを頑張っています。

男女の更年期、管理職向けなどテーマ別動画視聴/記事コンテンツ

福利厚生サービス「TRULY for Business」

ーー「TRULY for Business」では、どのようなサービスを展開しているのか、具体的な企業からの声も含めて教えてください。

主に30代後半~40代以降で管理職が多くなるのですが、「TRULY for Business」は管理職世代の従業員の方もきちんとサポートできることと、男女にサービスをご提供していることが特徴になっています。

内容としては、知る、調べる、相談する。企業向けなので、そのための企業課題の解決みたいなところもしていて、「知る」ためにはリテラシーのコンテンツセミナーやeラーニング、動画や記事という形でコンテンツを提供しています。

「調べる」ところは、6月以降は「MENOPO CHECK」もセットでご案内して、アンケートなどを通じて従業員の方それぞれの課題と企業側の課題を把握し可視化するような取り組みと、個人従業員の方が専門家にチャット「相談」出来る仕組みで一気通貫でオンラインでご提供しているサービスです。

ご利用いただいている企業からは、男女問わず利用できる点や、40代~50代を含む全世代をカバーできる点に大きなメリットを感じてもらっています。

eラーニング

世の中のイメージの変化、事業を通して感じられた変化

ーー2019年に創業してから5年ほど経ちますが、更年期に対する意識やイメージが変わってきていると感じます。二宮さんご自身は、創業以来、世の中のイメージや事業を通じてどのような変化を感じていますか。

変化は確かに感じてはいます。一方で、更年期はまだまだ時間がかかることも課題として認識しています。フェムテックの追い風もあり、更年期が課題として次にくると意識されるようになった点で、意識の変化は確実に変わってきているとみています。

でも、サービスが充実してきているかというと、まだまだプレイヤーも少なく、タブー視がなくなっているわけではないので、活動し続けることが非常に大事だと思っています。

今後検討している協業先、連携先

ーー多くのサービスを展開する中で、今後検討している協業先や連携先について教えてください。

企業との協業は本当に積極的にやらせていただいています。
一つは「TRULY for Business」を活用して、企業の健康経営に貢献できるところはすごく良いと思っていますし、PoCとして企業様の実証実験に一緒に取り組ませていただくことも、これまでもこれからもやっていきたいと思っています。

更年期の分野はまだプロダクトやソリューションが少ないので、マーケティング面でもスタートアップだけでは限界があります。企業と協力してサービスを作り、それを世の中に広げていくことを目指しています。

更年期に関心のある企業と連携し、小さなことから大きなことまで様々なコラボレーションに挑戦していきたいと考えています。

募集する人材

ーー今、採用を行っていますか?どのような人材を募集されていますか?

採用はずっとしています。特にMENOPO CHECKを6月からB to C向けにも販売を開始したので、マーケティングを強化していきたいです。一緒にチャレンジしてくださる方がいらっしゃれば、すごく心強いです。

もちろんそれ以外のポジションでも、営業に関わることなども募集はしているので、採用サイトの方も見ていただけると嬉しいです。

最後に一言

ーー最後に一言、ユーザーや視聴者に向けてコメントをお願いします。

今日は改めてこのような機会をいただけてとても嬉しく思っています。2019年からあっという間に6年目を迎える会社ではありますが、まだまだ更年期の分野は地道な啓蒙活動や情報発信が非常に大事だと思っています。

更年期というネガティブを当たり前にみんなの通過点と捉えていけるような文化を創っていく意味でも、自社のサービスを通じて色んな企業と連携し、力を借りながら、一緒に活動していきたいと思っています。

ぜひ、何かご一緒できるお話しができたら嬉しいです。


【インタビュアー:Femtech Community Japan 理事 木村 恵】
生保で健康増進型保険の企画、損保で大規模システム開発のプロジェクトマネジメントなど、保険業界に20年近く在籍。業界団体の理事、NewsPicksトピックスオーナー、スタートアップ顧問を兼任。
「女性ヘルスケア×イノベーション」の専門家として、起業家支援や大企業の新規事業相談に応じている。社会情勢や海外ビジネスモデルに関する考察をメディア等で多数発信。経営学修士(MBA)。

【取材協力・執筆:Femtech Community Japan 金井 響加】
京都の大学でジェンダー論を専攻しながら、Femtech Community JapanでSNSを担当。ジェンダー平等の実現に向けて、最新のトピックスを発信しながら、誰もが自由に自分らしく生きられる社会の実現に貢献したいと考えている 。

【執筆:Femtech Community Japan 城口 薫】
イギリス大学院にて社会人類学修士終了後、アメリカシリコンバレーと東京で大企業とスタートアップのイノベーション支援に従事。今は東京大学大学院総合文化研究科にて新しい技術や価値観がどのように社会に受け入れられていくのかという観点からフェムテックを中心に研究中です。

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