☆ 愛対 (あいたい)

声がきこえる
解放をもとめる捕囚のような
運命を信じない男のつぶやき
百光年のときを経て
微かになってしまった香りの誘惑

階段を下りた地下街の
迷路に隠れた小さなバーで
隣のハイチェアに、組んだ片足ふれて
香りの記憶を、炎のカクテルで燃やし
無いはずのディパーチャータイムを気にして
ふらふらとはじまる
遊行

サイドバイサイドの
青い体臭 
避けれない愛の渦の飛沫
カタマランの帆船で
風化した思考を振り切って
南風にまかせて、ユラユラと
青いパパイヤの香りをのせて
銀河の渦にのみ込まれてみたい

漂うように、うごきながら
行き先にも、思いをよせず
未知こそ、遊行の季節の
デスティネーションか、、、


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