⭐ “広重“の雨を見た、夏
今朝
“広重“の雨の林を見た
定規でも添えて、描いたような、雨を見た
そのくっきりして、しずく すら見逃さない直線状の雨が
林になって
いつもの庭の景色が、雨の林の向こう側に、ある
林は動かない
雨は動かない
一瞬、簑かさをかぶった男が、走り出てきそうな、幻惑に襲われた
静かである
静謐でさえある
“広重“の雨を見た
「大はし あたけの夕立」と、同じ雨だった
あの時、いっそ雨の中へ出ていけば
その先の、版画の景色の中へ行けたかもしれない
後悔にも似た思いがわいた
この雨、遠い昔にも、見たかもしれないが
今朝、くっきり、“広重“ の雨の情景として、見えたのは
雨空の上で、普段はつながらないものが
遠い雷鳴のおかげで
二百年前の大橋の雨空に、つながってしまった、からなのだろう
めったにない僥倖だった、、、
(2024年8月26日(月) 早朝 、南方海上に大型台風あり)
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