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なぜ、グローバル人材の採用がうまくいかないのか~シンガポールでの経験を例に、日系企業が陥りやすい課題を5つ紹介~
「なぜ、私たちはグローバル人材の採用がうまくいかないのか」
「なぜ、私たちは現地人材の採用がうまくいかないのか」
その答えは今回お話する5つの中にあるかもしれません。
弊社が採用支援をしているで実際に直面した課題を具体例に、日本でグローバル人材を採用したい企業がおち陥るポイントについて原因と解決策をご紹介します。
弊社、フェローズシンガポールについて
クリエイター専門のマネジメントを提供している「株式会社フェローズ」の初の海外拠点として設立された人材エージェント、Fellows Creative Staff Singapore(フェローズシンガポール)。
弊社では、シンガポールの人材採用に関する知見や、独自に培った人材ネットワークを活かして、シンガポール在住のクリエイティブ人材や、各業界の専門性を持ったエキスパートとの"良い出会い"を実現し、日本企業のシンガポールでのビジネスをサポートします。
また、シンガポールの優秀な人材、クリエイティブ人材探し、シンガポールへ進出といった「ご縁」をつないでほしいという相談は、弊社XのDMやHPから受け付けています✉
1.現地特有の採用市場の理解不足
国や地域ごとに採用市場の特性は大きく異なります。しかし、その違いを十分に理解せず、日本国内と同じ採用方法や基準を適用してしまうと、採用が思うように進まないことが多々あります。
例えばシンガポールでは、転職市場には年間を通して繁忙期と閑散期があります。12月は賞与の支給時期、1月から2月は旧正月のシーズンにあたるため、転職市場の動きが鈍くなる傾向があります。
さらに、シンガポール特有のビザ関連の法規制や現地の転職トレンドを把握することも欠かせません。特に、シンガポールで活躍する日本人を採用したい企業にとって、就労ビザの要件は大きなボトルネックとなることがあります。こうした要件を事前に理解していないと、選考を進めた後に「採用できない」という事態に陥りかねません。
しかし現実には、日本とは異なるシンガポールの採用市場の特性を理解しないまま、日本と同じ感覚で採用活動を進めてしまう企業が少なくないのです。
こうした課題への解決策としては、まず現地の採用市場の動向を正確に把握し、柔軟な採用スケジュールと要件設定を行うことが重要です。また、ビザ要件や労働法についても事前に理解を深めることで、採用の機会を逃さず、スムーズに進めることが可能になります。
現地市場に適応した採用戦略を取り入れることで、企業が求める優秀な人材と出会うチャンスは大きく広がります。
ポイント
・現地の人材需要や給与相場などをオンライン調査し、採用計画に反映させる。
・採用市場や動向を理解している現地のエージェントから情報収集する。
2.日本語スキルの有無が先行してしまう
海外市場には多様な人材が存在しますが、「高いレベルの日本語スキル」を必須条件にしてしまうことで、候補者の数が極端に絞られ、結果として優秀な人材を逃してしまうケースが少なくありません。
たとえ親日国と言われるシンガポールであっても、日本語を流暢に話せる人材は限られています。そのため、日本語スキルを厳しく必須条件とした場合、本来求めているスキルや経験を持つ候補者が要件から外れてしまい、限られた候補者の中から選ばざるを得ない状況に陥ることがあります。
一度「高い日本語スキルが本当に必要かどうか」の問いかけをしてみてください。職務遂行上、日本語が不可欠な場合もあるでしょう。しかし、必要以上に言語要件を厳しく設定するのではなく、「歓迎条件」に変更し、例えば「日常会話レベルの日本語が可能」「日本企業での就業経験がある」といった視点にシフトすることで、言語力にとらわれず、他のスキルやポテンシャルに目を向けることができます。結果として、候補者の母数が広がり、最適な人材に出会える可能性が高まります。
ぜひ、一度採用要件を見直し、優秀な候補者との出会いを広げてみませんか?
3.採用のスピード感の違い
日本企業の採用プロセスは慎重で時間をかける傾向がありますが、海外市場ではスピーディーな意思決定が求められることが多く、この「スピード感の違い」が採用成功の鍵を握ります。候補者の動きが速い現地では、選考の遅れが原因で他社に優秀な人材を取られてしまうリスクが高まります。
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特にシンガポールでは、候補者が転職時に複数の企業から同時にオファーを受けることが一般的です。そのため、選考期間が長引いたり、最終的な採用決定が遅れたりすると、候補者は待つことなく他企業を選ぶ傾向があります。
こうした課題への解決策として、以下のアプローチが効果的です:
ポイント
・現地の採用市場における一般的な選考期間や面接回数を把握する
・採用プロセスを明確にし、短期間集中型に設定する
・採用の最終決定権を日本本社ではなく現地法人に委任し、迅速な意思決定を可能にする
スピード感を意識した採用体制を整えることで、優秀な候補者の離脱を防ぎ、競争の激しい現地市場においても採用成功率を大きく高めることができます。
4.法規制やビザ取得の壁
冒頭でも触れましたが、シンガポールでは、国民の雇用を優先する政策が取られており、外国人労働者を雇用するためには厳しい条件を満たす必要があります。この制約は採用時、予想以上に大きな影響があります。
シンガポールでは、外国人労働者を雇用する際にエンプロイメントパス(EP)やSパスが必要で、現地人材より、日本人を含むグローバル人材の方が採用要件が高いです。また、給与要件やスキル基準が厳しく設定されており、要件を満たさないと雇用が認められないことがあります。
解決策として、
・現地の労働法規を熟知して採用戦略を立て、法令に適合した求人票を作成する。
・現地の採用に関する法律や手続きに詳しい人材エージェントや専門家と連携する。
5.雇用後の定着率の課題
採用が成功しても、現地の従業員が日本企業特有の文化や働き方に馴染めず、早期離職につながるケースが見受けられます。また、海外市場では転職がキャリアアップ、給与アップの手段とされることが多く、採用後の定着率を高めることは大きな課題です。
シンガポールでは、安定志向で長く働きたい人も一定数いますが、多くの人は40代前半までに転職を通じてキャリアや給与をアップしていく志向があります。これは現地のキャリア感でしょう。そのため、1〜2年などの比較的短期間で転職していく人が多いです。
ここは日本とは大きく異なるのではないでしょうか。また別の視点でよくある課題が、入社後の昇給や昇格など求職者が求めていたキャリアパスの期待値と満足度にギャップを感じ転職をしていくというケース。このような方からの相談もよくお受けしています。
解決策として、
・求職者にとって魅力的なキャリアパスを構築し、評価体制も整える
・定期的に従業員の声を聞ける体制を整える
まとめ
今回は、シンガポールを例に、グローバル人材を採用したい日系企業の採用がうまくいかない原因とその解決策をご紹介しました。最も大事な部分は「日本とは異なる転職市場」だということをあらかじめ認識しておくことです。日本の感覚でグローバル人材を採用しようとして失敗してきた企業を数多くみてきました。 採用をしたい企業ごとに採用選考の要件やフローを見直し、最適化していくことも大切です。
弊社では、シンガポールに集まる優秀なグローバル人材の採用支援を行っております。
「採用がうまくいかない」「原因が分からない」という方はお気軽にご相談ください。
弊社での知見を共有し、解決策までご提案させていただきます。